この日の発表会ではAndroid端末の登場が予想されていたが、ステージに登場した孫社長はiPhoneの近況説明からスタート。国内スマートフォン市場でiPhoneが80%を占めていることを挙げ、「毎日使っているが、時がたつほどその素晴らしさが伝わるのでは」と絶賛。iPhone購入者の女性比率が直近で40%近くに迫っているなど、「iPhoneはスペックや機能ではなく、ライフスタイルになってきた」と喜ぶ。
そして「単に見た目が似ているだけではiPhoneに追いついたことにはならない」と“iPhone似”の端末を牽制する孫社長が「iPhone以外でもこだわり抜いた端末」だと強調するのが、「全機種Android 2.2」の6機種だ。
「2.2と2.1は雲泥の差。見た目は似ているかもしれないが、実体は決定的な差がある」と、Flash Player 10.1の搭載やアプリ実行速度の高速性、法人ユーザーには重要なExchange連携といった2.2の優位点を説明。「ソフトバンクは最先端の技術に常にこだわる」と胸を張った。
Android向けアプリとサービスも充実させる。003SHの発売に合わせてオープンする「ソフトバンク ブックストア」では、「ONE PIECE」といった人気コミックなど10万点以上を当初からそろえ(ソフトバンク、電子書籍ストアを開設へ 開始時に大手出版社から10万点以上)、iPhone/iPadで展開している雑誌配信「ビューン」もAndroidに対応。電子書籍配信を本格化する。
mixiを利用しやすくするアプリ「ソーシャルフォン」もソフトバンク端末向けに先行提供し(mixi連携Androidアプリ「ソーシャルフォン」 アドレス帳とマイミク同期)、ウイルスチェック機能や紛失端末の捜索サービスなどをセットにした「スマートフォン基本パック」を月額498円(来年3月末までは無料)も用意した。
ただ、Android 2.2のテザリング機能については「現時点ではコメントできない。あるとしても直前までコメントしないのがソフトバンク流」と述べるにとどまった。
孫社長にとって「最重要機種」はあくまでiPhoneだ。「iPhoneのいいところはソフトとハードがシームレスにインテグレートできているところ。スマートフォンに移行したいというより『iPhoneに移行したい』という人は多い。圧倒的優位と存在感はこれからも続くだろう」として「これからも全力で売り続ける」という。NTTドコモは今年度中に100万台のスマートフォン販売を掲げるが、「iPhone販売だけで(ドコモ、KDDI)2社のスマートフォン販売合計より多いのでは」と余裕を見せる。
その一方で「中にはiPhoneではない新しい世界を求める人もいる。そこにもソフトバンクは力を抜かず、従来型携帯にも手を抜かない」と宣言。来年以降、スマートフォンへの移行が一気に進むと見て、iPhoneとAndroidの2枚看板という国内キャリア唯一の強みをユーザー獲得に生かしていく。
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