Appleは、東日本巨大地震で混乱がつづく日本の現状に配慮し、当初、3月25日に予定していたiPad 2の国内発売を延期すると発表した。
同社が発表した声明は以下の通り。
日本と、日本にいる私たちの仲間が 災害からの復興を目指す中、日本でのiPad 2の販売を延期することといたしました。大きな悲しみを受けた、社員やその家族を含むすべての日本の皆さんに、心からお悔やみを申し上げます。
今のところ、日本での発売がいつになるかについては検討中のようで触れられていない。
なお、同じ25日に発売が予定されていた、その他の25カ国では予定通りの発売が行われる予定だ。
iPad 2は、巨大地震発生直後、米国時間の3月10日に、まずは米国で発売が始まった。全米のApple Storeには長蛇の行列ができ、初代iPadを上回るお祭り騒ぎとなった。
日本からもその様子をレポートしようと、いくつかのブログメディアや個人が、現地に渡っていた。しかし、日本国内の未曾有の状況をおもんぱかって、大々的な報道はしないか、したとしても、ほとんど話題になることなく終わってしまった。
Wall Street Journalは、発売後の週末で50万台が売れたと見積もっている。その他のアナリストの間でも40〜60万台という見方が強い(Ticonderoga SecuritiesのBrian White氏にいたっては100万台という予想を立てている)。
大人気のiPad 2は、現在、米国のどこのApple Storeにおいても全モデル、完売状態だ。
オンライン版Apple Storeでも、最初のうちは数日中に発送と書かれていたバックオーダーの出荷日が、その後、2〜3週間後になり、現在では4〜5週間後になっている。
今回の発売延期の見送りは、これだけの熱狂を持って受け入れられる製品の発売を、このタイミングで行うことと、まだ復興を始める前の段階にいる被災者達との状況を照らし合わせての決断だろう。
なお、Appleは、日本が震災に襲われて以来、日本語のホームページのトップ画面を「お見舞い」のメッセージに切り替えており、現在はそこに世界で展開しているiTunes Storeから直接行う米国赤十字社への寄付の情報が書き添えられている。
ロイターによると、2010年10〜12月期にはAppleの売上高の約5%が日本からのもので、同期の日本の売上高は83%増の14億ドルだったという。
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