米Hewlett-Packard(HP)は12月9日(現地時間)、モバイル向けOS「webOS」をオープンソース化すると発表した。
同社はwebOSのソースコードをオープンソースライセンスの下で開発者コミュニティーに提供する。また、アプリケーションフレームワークの「ENYO」も寄贈する見込みだ。HPはwebOSの開発およびサポートを継続する。
メグ・ホイットマンCEOは発表文で、「webOSは、モバイル向けに土台から構築された唯一のプラットフォームであり、クラウドとの親和性が高く、スケーラブルだ。このイノベーションを提供することで、オープンソースコミュニティーが新世代のアプリケーションとハードウェアを促進できるようにする」と語った。
同社の開発者関連チームは公式ブログで、HPはwebOSコミュニティーの一員として、プラットフォームのフラグメンテーション(断片化)を回避するための透明性の高い包括的なガバナンスの構築を支援するとしている。
webOSは、HPが2010年7月に米Palmを買収した際に獲得したモバイル向けOS。買収後、HPは同OS搭載のスマートフォンとタブレットを発売したが売り上げが伸びず、2011年8月にハードウェア販売の中止を発表した。
9月に同社CEOに就任したメグ・ホイットマン氏は10月、同社のタブレット戦略について、米Microsoftの次期OS「Windows 8(コードネーム)」を搭載する端末にフォーカスするとしていた。
ホイットマン氏は、米ブログメディアThe Vergeのインタビューで、HPはwebOS搭載ハードウェアを製造するかという質問に対し、「答えはイエスだが、それが2012年中になるかどうかは言えない」と答えた。同氏はまた、HPがスマートフォン事業を再開する可能性はなく、webOS搭載端末はタブレットになるだろうと語った。
「このプロジェクトの成否を見極めるには4〜5年かかるとみている。(中略)可能性を信じるテクノロジーに関しては、1四半期や1年よりも長期的な視野を持つことが必要だと理解している」(ホイットマン氏)
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