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個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる(2/3 ページ)

» 2012年02月14日 12時48分 公開
[久我山徹,ITmedia]

とても簡単なGumroad

 そこに登場したのがGumroadだ。同サイトが今後どうなるのかはまだ分からないが、試してみたところ、個人が同人誌を販売するという点においては最終兵器に近いものではないかと感じている。

 Gumroadは有償コンテンツを購入するためのリンクを生成し、そのリンクを経由してコンテンツ販売を代行してくれるサービスだ。従来のダウンロード販売サイトなどと比べた場合の特徴として(1)操作が簡単、(2)ファイル形式の指定がなく、なんでも(公開済みの1枚のWebページでも)販売の対象にできる、(3)Gumroadに支払う手数料がコンテンツ代金の5%+0.3ドルと格安──などが挙げられる。どの点も個人の同人作家にとっては魅力的だ。

 早速Gumroadを使ってみよう。コンテンツ代金を受け取るために、PayPalアカウントを用意する必要がある。

(1)Gumroadにログインする。Twitter/FacebookアカウントでOK。

photo ログイン画面

(2)販売したいコンテンツを指定する。既にネット上に置いてあるファイル(ZIPやPDF、画像など)のURLを指定するか、アップロードする。

photo ここではシコタホAの在庫切れ同人誌のPDFを用意。シコタホAのサイトにアップロード済みのもの

(3)コンテンツ名、販売額(「Settings」から日本円を設定することも可能だが、筆者の環境では日本円で販売すると決済が進まなかった)を入れて「Add link」ボタンを押せば販売用リンクができあがる。「短縮URLを生成する感覚」だ。コンテンツの詳細な説明などを追加でき、日本語も問題なく使える。

photo 説明などを付け加えよう
photo HTMLだって販売できる

(4)生成したリンクはTwitterやFacebookに投稿したり、自分のサイトなどに貼ることができる。

photo ポストする感覚で売り物を出せる

(5)販売用リンクをクリックすると、販売ページにジャンプする。「I want this!」をクリックすると、クレジットカード情報の入力フォームが現れるので、入力して購入。

photo 販売ページ。SettingsからカスタムCSSを使うこともできるようだ
photo とても率直なカード情報入力フォームが現れる

(6)購入すると表示が出て、リンクをクリックすればコンテンツがダウンロード/表示される。

photo 購入に成功。筆者の環境では円建てでは「processing...」の表示で止まってしまい、ドル建てに変更したらスムーズに買えるようになった
photo 楽しい同人誌を購入

(7)「Settings」からPayPalアカウントを登録しておこう。販売ページへのアクセス数や販売数も確認できる。

photo アクセス数や購入された額も簡単に確認できる

 ちょっと絵を描いたから試しに1ドル付けて投稿してみようか──Gumroadではあらゆるコンテンツを“ポスト”する感覚で販売できるのが最大のポイントだ。過去にも「個人がコンテンツを販売できる」ことをうたうサービスはあったが、コンテンツの登録から承認といったプロセスが不要なGumroadは従来サービスとは出発点もマインドも異なっており、開放感にあふれている。2012年のいま、実際に手を動かして何かを作り、ネットを活用して発表している人であれば、この“新しさ”は共有してもらえるのではないだろうか。

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