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個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる(3/3 ページ)

» 2012年02月14日 12時48分 公開
[久我山徹,ITmedia]
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ぶっこ抜きは心配かもしれない

 課題も考えてみよう。まず気になったのは、アップ済みのネット上のコンテンツを指定する場合、購入者に対しそのURLがそのまま送信されるという点だ。URLがそのままネットに流出すればぶっこ抜き放題になってしまう。ここは何らかの工夫が欲しい。

 またGumroad自体にはプロモーション機能や集客力はない(Gumroadは店ではない)ので、拡販したいのであれば自分のサイトやソーシャルメディアなどを活用してリンクへの誘導を広げていく必要がある。

 シコタホAの読者からは「販売ページがフィッシングサイトに見える」という指摘があった。サイトデザインがシンプルなだけにそのように感じられるのかもしれないし、実際にGumroadに見せかけたサイトを作るのは難しくなさそうだ。「購入時には販売主が自分のサイトに貼っているリンクに限ったほうがいい」といった、ユーザー側の注意も必要になってくるのかもしれない。

 「誰でもコンテンツを簡単に販売できる」ということは「海賊版を誰でも簡単に販売できる」ということでもある。他人の同人誌やイラスト、楽曲などのURLを勝手に指定して“カジュアルに”フリーライドする輩が出てくる可能性はあり、その場合にGumroadがどう対応してくれるのかは分からない。また、オルタナティブブロガーの山口陽平さんは、国内では資金決済法の絡みで問題になる可能性を指摘している

 現時点では全て英語という問題もあるが、少なくともいま存在する仕組みの中で、個人が同人誌を売る場合にこれほど簡単で便利な方法はないように感じる。ただ、購入する側からするとクレジットカード番号を入力するのはやはり心理的障壁が高そうだ。セキュリティ面の不安を取り除くような工夫と改善が図られていけば、最強になりうるかもしれない。今はとにかく期待だ。

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