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大規模障害のファーストサーバ、「データ復旧は不可能」

» 2012年06月24日 01時03分 公開
[ITmedia]

 ヤフー子会社でレンタルサーバを手がけるファーストサーバの大規模障害で、同社は6月23日、共有サーバサービスとクラウドサーバサービスについて「データ復旧を行うことは不可能と判断した」と発表した。専用サーバサービスも短期間でのデータ復旧は不可能とし、仮に復旧できたとしても部分的にとどまるという。

 データ復旧を断念したのは共有サーバ「ビズ」「ビズ2」と、EC向けクラウドサービスの「EC-CUBEクラウドサーバ マネージドクラウド」。「弊社ならびに外部専門業者を交え、データ復旧を試み続けて参りました。しかしながら、極めて遺憾ではございますが、データ復旧を行うことは不可能と判断いたしました」という。再構築は顧客が持っているバックアップデータで行うよう求めている。

 専用サーバ「エントリービズ」「エンタープライズ3」についても「短期間でのデータ復旧は不可能」として顧客のバックアップデータで再構築を行うよう要請。復旧できたとして部分的なものにとどまる上、復旧期間は数カ月以上必要という。

 今後サービス約款に従って損害賠償を行うが、時期や手続き、方法などは検討中という。同社のレンタルサーバサービス約款では「本サービスが本質的に情報の喪失、改変、破壊などの危険が内在するインターネット通信網を介したサービスであることを理解した上で」顧客が自らの責任でデータバックアップを行うものとし、顧客がバックアップしなかったことによる損害について同社は何ら責任を負わないとしている(16条)。

 障害は20日午後5時以降に発生。大阪市の水族館「海遊館」や小林製薬の製品情報サイトなど多数のWebサイトがダウンし、サイト上にアップロードされたデータやメールデータが消失した。影響した顧客数は約5000に上る。原因は「メンテナンス作業において用いる特定の管理プログラムのバグ」という。

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