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「一切関係ございません」 大津中2自殺事件で、ある病院がコメントWeekly Access Top10

» 2012年07月09日 21時26分 公開
[ITmedia]

 テレビ局社員が自社で放映するアニメ番組に批判的なツイートをTwitterで投稿したとしてテレビ局が謝罪する騒ぎになり、この記事に関連する形で炎上関連記事がランクインした。

 大津市で昨年中学2年生が自殺した問題で、生徒へのいじめに関与したとされる関係者の実名などがネット上で広まっている。発端となったのはフジテレビの「とくダネ!」だ。訴訟の準備書面を黒塗りして放送したが、この画面をキャプチャしてレタッチソフトで明るさを調整すると関係生徒の名前が見えてしまったという。同番組は9日、謝罪した

 一方、滋賀県の病院が「緊急のお知らせ」をネットに公開した。自殺した生徒のいじめに関与したという生徒の関係者が勤めているとネットで名指しされ、電話が殺到したようだ。だが病院は「当院および当院の職員は、一切関係がございません」とし、“電凸”の殺到が救急病院の診療に支障をきたすとして「良識ある言動」を呼びかけている。

 “加害者”(と確定したわけではないがネットでは信じられている)の生徒と同じ名字の人がこの病院におり、この人と似たような経歴の人(同一人物かどうかは不明)のブログがあり、ある記事を書いた。ネット検索を駆使したさまざまな憶測によってこの人は「加害生徒の祖父」とみなされた。確たる裏付けはなかったが、ネット上ではそう信じられ、あげくに「出身の警察署に事件のもみ消しを依頼し、ブログで赤の他人のふりをして被害両親を見下した文を掲載した」とまで言われるようになり、ブログは大炎上した。

 その後ブログが更新され、この人は「『加害少年の祖父だろう』と決めつけられたりしているが、(……)自殺した少年のとのかかわりは一切ない、ごく平凡な老人である」と記している。コメントは「関係のない個人名を掲載し、侮辱、名誉棄損、脅迫まがいの内容」が多かったという。

 Twitterを見ると、事実かどうかも分からないネットの書き込みをもとに義憤を爆発させている人もいる。会えば心優しい人なのだろうと思う。現実の裏付けを必ずしももたないバーチャルな情報の体系と、これを裏付けとして燃え上がるイノセントなネットの正義。デマに気をつけようと呼びかけ合った3.11以降の日々が遠く感じる。

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