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シャープ最終赤字4500億円に 「継続企業の前提に疑義を生じさせる事象」存在

» 2012年11月01日 18時32分 公開
[ITmedia]

 シャープは11月1日、2013年3月期(2012年度)の連結業績予想を下方修正し、最終赤字額が前回予想から2000億円悪化し、4500億円になる見通しだと発表した。前期の3760億円から赤字幅が拡大し、2期連続で過去最大となる。構造改革費用として844億円を計上し、繰延税金資産610億円を取り崩すことも響く。

 修正後の見通しでは、売上高は400億円減の2兆4600億円、営業損益は550億円悪化して1550億円の赤字、経常損益は700億円悪化して2100億円の赤字。

 4〜9月期決算は、売上高が1兆1041億円(前年同期比16.0%減)、営業損益が1688億円の赤字(前年同期は335億円の黒字)、経常損益は1972億円の赤字(同208億円の黒字)、最終損益は3875億円の赤字(同398億円の赤字)。

 「AV・通信機器」の売上高は前年同期比で41.8%減の3385億円。液晶テレビは国内市場の低迷と日中関係悪化に伴う中国での落ち込みから前年同期を大きく割り込み、携帯電話は海外メーカーとの競争激化、基幹部品の供給不足が続いた。

 前期に続き、4〜9月期に多額の赤字を計上した上、営業キャッシュフローもマイナスになっていることから、決算短信に「継続企業の前提に疑義を生じさせる事象または状況」が存在すると明記した。ただ、リストラの実施や融資枠の確保といった対策を講じており、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」は存在しないとしている。「不確実性」が認められない場合、いわゆるゴーイング・コンサーン注記は付かない。

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