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「予告.in」開発者も 「真犯人」からメールを受け取った人の共通点

» 2012年11月19日 15時48分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセス1位は、PC遠隔操作事件で、「真犯人」を名乗る人物からのメールが届いたという記事だった。13日深夜にメールが届き、添付されていた画像のEXIFデータを基に14日、合同捜査本部が横浜市保土ヶ谷区の団地を聞きこみに回ったが、これまでのところ、犯人につながる手がかりを得たといった報道は見当たらない。

 メールは、落合洋司弁護士、TBSのラジオ番組「Dig」をTOに、「予告.in」を運営する矢野さとるさん、筆者、朝日新聞、TBS、フジテレビをCCとして送られていた。

 落合弁護士とDigは、最初の犯行声明メールのあて先だった。それ以外の送付先の共通点は、“真犯人”のアドレス(犯行予告の送付元であるアドレス)に、メールを送っていたことだ。筆者は矢野さんによる報道の分析結果から“真犯人”のメールアドレスを知り、矢野さんのアドバイスを受けて10月17日に取材依頼メールを送っていた。

 矢野さんは2008年、「政府がネット上の犯行予告を検知できるソフトを数億円かけて開発する」という報道を見て、2ちゃんねるなどから犯行予告とみられる書き込みをピックアップする「予告.in」を1人で開発。これまで運営を続けており、特に悪質とみられる犯行予告を通報するなど警察にも協力している。

 今回の事件で矢野さんは、報道などから犯人が利用したアカウントを割り出したり、犯人のものと推測される書き込みを抽出し、書き込まれた時期やスレッドなどを分析、その結果をブログで公表している。

 筆者はメールを受け取った1人として合同捜査本部の捜査員から電話で簡単に状況を聞かれたが、少なくともその捜査員は、ネット文化や技術への理解は薄かった(たった1人の捜査員と話しただけだし、警察は情報をもらさないためあえて知らないふりをすると聞くので、実際は詳しいのかもしれないし、そうあることを願いたいが)。矢野さんのネットユーザーらしい視点や技術力が、捜査を先に進める手がかりになるかもしれない。

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