「洗練されたクールな端末、Surfaceをやっと日本で発売できる」――日本マイクロソフトの樋口泰行社長は3月1日、独自のタブレット端末「Surface RT」を15日に国内投入すると発表した。米国では昨年10月に発売していた端末を、ようやく国内で販売。「マイクロソフト始まって以来、過去最大級のマーケティング」を行い、Windows 8と合わせて強力に拡販していく。
Surface RTは、タブレット用OS「Windows RT」を搭載した10.6インチタブレットで、価格は32Gバイト版が4万9800円、64Gバイト版が6万5800円。別売りのキーボードカバー(日本語キーボード配列のみ)を装着し、ノートPC風に使えるのも特徴だ。
「Windowsが載っていないタブレットを購入された方の半数は、機能に不満をお持ちだと聞いている。Windowsベースのタブレットはタブレットとしても使え、キーボードを付ければ生産性の高い仕事もできる。Word、Excel、PowerPoint、OneNoteも最初から入っており、バリューは比較にならないほど高い」と樋口社長は胸を張る。
Officeソフトのほか、「Windowsストア」で配信されているタブレット用アプリが利用できる。Windowsストアは、App StoreやGoogle Playと比較するとラインアップが貧弱だという指摘もあるが、同社の横井伸好執行役は、日経新聞電子版やLINEなど、他プラットフォームで人気のアプリがラインアップされていることを挙げ、「アプリも充実してきた」とアピールする。
Surfaceの販売チャネルは、同社直販サイトと、ビックカメラグループ、ヤマダ電機グループ、ヨドバシカメラの各店舗で、合計1000店舗以上になるという。販売チャネルを絞ったのは、「新しい分野は機種数やチャネルを絞って一点突破で出す」という判断からだと、樋口社長は説明する。
Surface発売にあわせて、3月11日からテレビ広告や屋外広告など大規模なマーケティングを展開。Surfaceと合わせてWindows 8もプロモーションし、「マイクロソフトの歴史始まって以来、過去最大級のマーケティングを行う」(樋口社長)予定。量販店店頭に人を集め、「トータルで盛り上げたい」と樋口社長は話している。
従来のWindowsビジネスは、マイクロソフトがOSを用意し、パートナーメーカーがハードウェアを作るという協力関係で成り立ってきたが、米AppleやGoogleは、OSとサービス、ハードウェアを垂直統合したビジネスを展開してシェアを拡大。マイクロソフトもSurfaceで、垂直統合型のビジネスに足を踏み入れた。
米国では昨年10月、Windows 8と同時に発売したSurfaceだが、日本ではWindows 8に5カ月遅れての投入となった。日本での投入を遅らせた大きな理由の1つが、日本のWindows機メーカーへの配慮だといわれている。
Surface発表会でも樋口社長は、「Windows 8対応マシンはすでに250機種以上出ており、Surfaceはたくさんある中の1つ。パートナーとのエコシステムは全く変わらないが、市場を盛り上げなくてはいけないということで参入した。Windows陣営とそうでない陣営との競争がメインだ」と、メーカーへの配慮をにじませていた。
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