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自動運転の1人乗りロボ「ROPTIS」、日立が開発 指定した場所まで自律走行

» 2013年03月12日 17時28分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は3月12日、指定した場所に自律走行できる1人乗りロボット「ROPTIS」を開発したと発表した。4輪のバイクのような形状で、携帯端末の地図で行き先を指定すると、障害物を避けながら、その場所まで移動できる。つくば特区の歩道で実験したところ、目的地の座標(緯度・経度)に対して誤差1メートル以内に到着できたという。

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 歩道の標高情報を、国土地理院の電子地図や、精度の高いGPS「RTK-GPS」から取得。緯度・経度、標高情報を同じ座標系に融合して実際の環境形状を再現する「3次元環境形状地図」を作成し、位置推定の精度を高めた。立体交差部分など高さの異なる歩道や、建物内で異なる階に移動することも可能という。

 レーザー距離センサーとステレオカメラを搭載し、歩行者や路面の凹凸を検出。広い場所では速度を保ちながら障害物から離れ、狭い場所では障害物の近くを減速して走行、歩行者が接近した場合は自動停止するなど、障害物のある歩道でもスムーズに移動できるとしている。

 車体を水平に保って安定させるため、衝撃を吸収するサスペンションと、車輪の上下位置を自由に制御できる駆動装置を直列に配置。うねりや凹凸のある歩道でもバランスを崩さず、安定して走行できるとしている。

 実験では、つくば特区の市街地で、約18キロにわたる歩道の3次元環境形状地図を作成。送迎実験を行ったところ、目的地の座標(緯度・経度)に対して、誤差1メートル以内で到着できたという。

 今後もつくば特区で実験を継続し、自律移動技術・移動支援サービス機能のレベル向上や、物品の自動配送、無人迎車などロボットの利用効率を高める自律配車など、さまざまな移動支援サービス実現に向けた応用技術を開発していく。

 技術の詳細は、「日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会」(5月22日〜25日、つくば特区内で開催)で発表・デモンストレーションを行う。

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