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「やばさを引き出したい」  家入一真氏がトレンダーズで“社会復帰”(1/2 ページ)

» 2013年04月03日 08時00分 公開
[伏見学,ITmedia]

 paperboy&co.(ペパボ)、ハイパーインターネッツ、BASEなどを創業した家入一真さんが、このたび「インターン生」として女性向けマーケティング会社のトレンダーズに入社した。

 主なミッションは新規事業を立ち上げること。期間を区切ってプロジェクトを運営し、例えば、約3カ月ごとに新たなサービスを1つずつリリースしていく。「一般的にインターンシップといえば、学生が内定を獲得するためだったり、キャリアアップのためだったりしますが、家入さんには本気で事業にコミットしてもらい、短期間でスピーディーにサービスを作り上げてもらいます」と、トレンダーズの経沢香保子社長は力を込める。

 「僕はダメ人間なので、そこから脱却して社会復帰しようと……」と、控えめに話す家入さんだが、プロジェクトに対しては意欲的だ。「女性のライフスタイルに切り込んだC2Cサービスを立ち上げたい。今まで僕がやってきたのもC2Cサービスなので、そこで得たノウハウをトレンダーズでどこまで生かせるのか挑戦したいです」

“場”にこだわる

 そもそもどのような経緯からトレンダーズで働くことになったのか。実は、ある懇親パーティーの場で家入さんの方から打診したそうだ。

家入一真さん。この4月からトレンダーズでインターンを始めた 家入一真さん。この4月からトレンダーズでインターンを始めた

 「最初はトレンダーズという会社の実体がよく分かりませんでした。ただ、中を見てみると、はあちゅうをはじめ、本当に個性的でユニークな社員がたくさんいるので、彼らを許容できる文化や、そうした包容力は一体何なのかと思ったのがきっかけでした」と家入さんは振り返る。

 家入さんは続ける。「彼らは会社から飛び出してピンでもやっていけるのに、あえて飛び出さずにトレンダーズに居る理由は何だろう、ゆるい繋がりの中で彼らが会社に残り続けるのはなぜだろう。そこに面白さや“やばさ”を感じました。僕が入ることでもっとこのやばい部分を引き出していきたいなと」

 では、なぜインターンという形を取ったのか。その理由について、いきなり上の立場から参画するのではなく、新卒社員などと同じように、ゼロから物事を立ち上げていきたいという思いがあったからだという。もちろん、それは新サービスであり新規事業であるわけだが、それらを生み出すための“場”に対しても強いこだわりを持っているという。

 これまで家入さんは、仕事を通じて居場所や遊び場を作ることを一貫したテーマとしてきた。例えば、Webサービスやカフェなどさまざまなものをプロデュースしてきたが、ネットもリアルも関係なく、すべては“場”を作るという意味合いがあったのだという。

 「場を作ることで、そこに集まったユーザーや仲間の刺激を受けて、僕自身も変わっていくことができます。これからトレンダーズの中で経沢さんや社員たちとコラボレーションして、どういう場を作っていけるのかは未知数ですが、楽しみです」(家入さん)

 経沢社長も期待を寄せる。「確かにトレンダーズには面白い社員がたくさんいますが、基本的に会社は真面目に運営されています。経営者としてそこに色気が必要だなと感じていました。今後ますます女性のライフスタイルを変革していこうとしたときに、私一人の力ではできることも限られています。そうしたときに家入さんが入ってくれるのは頼もしいです」

 まずはインターンという形での参画となるが、今後の可能性として、長く、深くトレンダーズの事業にかかわってもらえれば嬉しいとしている。

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