「iPadが値上げはチャンス。あっちが値上げするなら、こっちは下げようかなと」――日本マイクロソフトの樋口泰行社長は6月13日に開いた会見で、「Surface RT」の期間限定値下げを決めた背景について、ライバルAppleの名を挙げてこう話した。Surface RTの販売は「予想を超えるほど好調」だが、同社はタブレット市場では後発。ボーナス商戦に合わせて買い得感を演出し、一気にシェアを拡大したいという。
Surface RTは、タブレット用OS「Windows RT」を搭載した10.6インチタブレット。価格は32Gバイト版が4万9800円、64Gバイト版が5万7800円だったが、それぞれ1万円値下げし、3万9800円、4万7800円とする。値下げは7月14日までの期間限定。
製品名 | 参考価格 | 値下げ価格 |
---|---|---|
Surface RT 32GB | 4万9800円 | 3万9800円 |
Surface RT 64GB | 5万7800円 | 4万7800円 |
Surface RT 32GB+タッチカバー | 5万7800円 | 4万7800円 |
Surface RT 64GB+タッチカバー | 6万5800円 | 5万5800円 |
「RTはクリアに、iPad対抗製品。そちらに注力した価格設定だ」――樋口社長は会見でこう述べ、集まった報道陣にiPad各モデルとの価格比較表を提示。“iPad対抗”を強く印象付けた。
Surface値下げのきっかけは、円安の影響でAppleがiPadを値上げしたこと。「あっちが値上げするなら、こっちは下げようかなと。これをチャンスととらえて急遽、ボーナス商戦という、需要が高まる時に合わせてキャンペーンをすることにした」
樋口社長はSurfaceについて、「キーボードが付いていてUSB端子を備え、Officeが持てるのは、ものすごいバリュー」と改めてアピール。「これで3万9800円ということにまず飛びついていただきたい」と話す。
円相場は不安定な状態が続いているが、同社は、円相場を商品価格に反映させることは基本的に行わないという。「為替によって商品上げたり下げたりというのは、ユーザーさんにはなかなか受け入れてもらえにくいロジックだと思う。為替は、米本社の連結決算に影響するが、日本法人の経営は為替を意識しないオペレーションになっている」
記者からは「Surface RTが販売不振で、値下げでてこ入れする狙いでは」という質問が繰り返し出たが、樋口社長は明確に否定。「Surface RTはたいへん好調。われわれの予測を超える好調さだが、われわれはこの分野では後発で、チャレンジャー。当初の予定より少し良かったぐらいで満足してはいけないという考えのもとに、さらにアグレッシブに行こうと」
Surface RTの販売数などは明らかにしていないが、ソーシャルメディア上で販売意欲を示すコメントが競合製品より多いことや、量販店で、Surface専用テーブルの展開が続いていることなどを、好調の“証拠”としてあげる。
7日に発売した「Surface Pro」は、予約受け付け期間がRTの半分だったにも関わらず、RTの倍以上の予約があり「発売以降もびっくりするぐらい引きが強い」とアピールした。
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