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スマートウォッチは成功するか 「Apple参入からが本番」の声も(2/3 ページ)

» 2013年09月05日 17時55分 公開
[ベルリン/ソウル 5日,ITmedia]

 ウェアラブル端末市場は大きな可能性を秘めている。スイスのCredit Suisseによれば、音声技術、バイオメトリクス、通信、クラウドストレージ、電力消費などの技術進歩を受けて、スマートウォッチなどウェアラブル端末の市場は2017年までに500億ドル規模に成長する可能性があるという。

 AppleとGoogleも目下、手首に装着する端末など何かしらのウェアラブル端末を開発中であると広く信じられており、アナリストはモバイル通信の人気が次のフェーズに進むものと予想している。スマートフォンの成長が先細りとなる中で、ここ数年はそうしたウェアラブル端末の開発が加速している。

 GALAXY Gearは1.63インチ(4.14センチ)の画面とベーシックなカメラを搭載し、Samsungの最新スマートフォン「GALAXY Note 3」とBluetooth無線で接続する。ユーザーはスマートフォンをポケットやバッグに入れたまま、通話やメッセージ表示、動画録画、写真撮影を行える。

 Samsungが1999年と2009年に発表した初期バージョンのスマートウォッチはデザインが不格好で、ユーザーの評判は良くなかった。だが最新版となるGALAXY Gearの成否は、この端末自体の売れ行きだけでなく、この端末がハイエンドなGALAXYスマートフォンの販売にどう影響するかによって判断されることになる。

 「前にもスマートウォッチのような製品を発表したことがあるが、主に通話用の端末という位置付けだった。GALAXY Gearの方がはるかに便利な機能を備えていている。有用性が大幅に改善され、すっきりしたデザインになった」とシン氏は語る。

革新的とは言えない

 GALAXY Gearは9月中に299ドルで発売され、QualcommのToqは10〜12月期に発売される予定だ。Qualcommは価格については発表していない。IT系サイトのCNETは、Toqの価格は300ドルと報じている。

 「問題は、こうした性能面での改善が、スマート端末をもう1つ追加で購入するほどの価値を有するものかどうかだ」と、モバイル技術に関する著作が何冊かあり、米ノートルダム大学で経営学の非常勤講師を務めるブライアン・プロフィット氏は指摘する。

 「ハンズフリーでメモを取ったり写真を撮ったりできるのは素晴らしい。だが299ドルを支払う価値はあるのだろうか。GALAXY Gearにとってはそれが試金石となるだろう」と同氏は語る。

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