「ヤフーは“インターネットのキャリア事業”を新たに始める」――3月27日、イー・アクセスの子会社化を発表したヤフーの宮坂学社長は、都内で開いた会見でこう宣言した。「Y!mobile」ブランドで、携帯キャリア事業に新規参入。イー・アクセスの既存事業に加え、Android端末を中心としたスマートフォン拡販に注力。「Yahoo!JAPAN」サービスのさらなる拡大とブランドの浸透を狙う。
イー・アクセスは6月1日付けでウィルコムを吸収合併する予定で、翌日付けでヤフーがソフトバンクからイー・アクセス株式を3240億円で取得し、合併後新会社を子会社化する形。6月1日付けでイー・アクセスがウィルコムを吸収合併した上で、ヤフーは親会社に当たるソフトバンクから合併後イー・アクセス株式の99.59%(議決権比率は33.29%)を取得し、子会社化する。新社名は「ワイモバイル」とし、社長はヤフーの宮坂社長が兼任する。
ウィルコムは「だれとでも定額」を中心に音声通話ユーザーをとらえ、イー・アクセスはデータ通信サービス「イー・モバイル」などで支持を得ている。Y!mobileは両社のサービスを引き継ぎながら、新事業としてAndroid端末を中心としたスマートフォンの拡販に注力する。
「インターネットはPower to the Peopleであるべき」――宮坂社長はこう話し、多くの人々の手元にスマートフォンを届けることで、「インターネットの楽しさ、便利さをみんなの手元に届けたい」と述べる。Androidスマートフォン/タブレットは、ネットサービスを便利に使える端末として拡販。契約者数を現在の2倍・2000万に伸ばすことを目指す。
全国3000店舗あるというイー・アクセス、ウィルコムのブランド店舗は、「Y!mobile」ブランドに衣替え。端末販売拠点としての活用に加え、オフラインでYahoo!JAPANブランドを訴求する場としても利用する。「ネットだけで獲得できるユーザー数には限りがある。リアルは大事だ」と、宮坂氏はオフライン拠点の重要性を語る。
端末とYahoo!JAPANのサービスを連携させたり、販売店で「Yahoo!プレミアム」などのサービスを案内するなどして、Yahoo!JAPANとのシナジーを追求。AndroidはGoogleのOSで、デフォルトの検索サービスもYahoo!JAPANではなくGoogleになるが、「サーチ技術で制約はあるが、できることはいろいろあると思う」。
音声通話よりインターネットをメインにサービスを組み立てる「インターネットキャリア」を掲げる。同日、Yahoo!JAPANトップページに、キャリアに求めることをユーザーに尋ねる企画へのリンクを張るなど、Yahoo!JAPANのメディアパワーもフル活用。「まったく新しいタイプのキャリア」だと自負する。
通信帯域はソフトバンクモバイルの帯域と融通し合い、「つながりやすさナンバーワン品質を初日から提供できる」としている。
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