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「LulzSec」元メンバーに判決言い渡し、捜査当局への協力を評価

» 2014年05月28日 08時19分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米ニューヨーク南部地区の米連邦検察は5月27日、ハッカー集団「LulzSec」の元メンバー、ヘクター・モンシガー被告(30)がマンハッタンの裁判所で有罪判決を受け、保護観察付きで釈放されたと発表した。捜査当局はモンシガー被告の協力を得てほかのメンバーを逮捕し、300件あまりのサイバー攻撃を阻止できたとしている。

 発表によると、モンシガー被告は世界各国の報道機関や政府機関、民間企業を狙ったコンピュータハッキング行為に加担。被害組織のコンピュータシステムを機能不全に陥れたり、情報を流出させたりしたとして、ハッキングや詐欺などの罪で起訴された。本人も起訴内容を認めていた。

 同被告は2008年ごろから組織されたハッカー集団「Anonymous」の主要メンバーとして、「Sabu」の名で活動。仲間と共謀して2010年12月〜2011年6月にかけ、クレジットカード会社のWebサイトや政府機関のコンピュータシステムなどに対するサービス妨害(DDoS)攻撃を繰り返したほか、政党や報道機関などのサイトに侵入してユーザー情報を流出させたとされる。

 2011年5月には新しいハッカー集団のLulzSecを組織してソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどの各社に攻撃を仕掛け、大量のユーザー情報を流出させた。

 一連の事件に関して捜査当局が調べを進める過程で、モンシガー被告は当局に協力する姿勢に転換。当局は同被告の協力を得て仲間8人の身元や居場所を特定し、逮捕するに至った。さらにLulzSecなどが計画していた各国政府機関や民間企業を狙ったサイバー攻撃300件あまりを阻止できたとしている。

 同被告はさらに、米国の水道施設など重要インフラに関する脆弱性情報も提供し、そのおかげでインフラのセキュリティ対策を強化できたという。

 裁判官は判決言い渡しに当たって、モンシガー被告のこうした協力を高く評価。量刑はこれまでの拘置期間に相当する7カ月のみとし、保護観察付きの釈放を認めた。

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