LINEで使えるユーザーの自作スタンプの販売開始から1カ月。作品数や売り上げなど「予想を超える反響」で、“サラリーマンの月収程度”を得ているクリエイターも出てきているという。ユーザー数4億5000万人超の基盤をもとに、世界に届くクリエイターの発表の場として育てていきたいと意気込む。
「寿司」「ネコ」「うさぎ」「メガネっ娘」などかわいいものからシュールなものまでズラリと並ぶキャラ、「懐かしの昭和の死語」「アメリカンポップ関西弁」「友達を叱咤激励するスタンプ」など気になるタイトル――眺めているだけで楽しめるクリエイターズスタンプは、LINE ウェブストアで約1600セット(6月11日時点)が公開されている。
すべて40種100円の一律価格で提供されており、画像サイズなどの制限以外は、その内容やテーマ、イラストは多種多様。個人はもちろん、法人も自社のキャラクターなどで登録できる。
スタートから1カ月となる6月7日までに購入されたスタンプ総数は170万セット、クリエイターズマーケット全体の販売額は1億5千万円を超えた。投稿プラットフォーム「LINE Creators Market」への登録クリエイター数は8万人、申請作品数は1万2000に達している。
「売り上げ、クリエイター数、申請作品数、いずれも予想以上の反響。審査をお待たせしていて申し訳ない」――スタンプ企画チームの渡辺尚誠マネジャーの言葉通り、申請作品の8分の1程度しか公開されていないのが現状だ。審査に時間を要している理由は明らかにできないとしつつ、リジェクトしている作品は「多くはない」という。審査チームの人員強化も進めていくとしている。
クリエイターズスタンプの特徴は「公式スタンプではなかった表現や表情のバリエーション」(渡辺さん)。作り手には普段からLINEを使っている人も当然多く、自身の経験を踏まえてユーザー視点で使いたいもの、欲しいものを制作している様子が見られるという。
「『なるほど、こんなこともできるんだ!』と驚くことも多くて、寄せられるスタンプを見ているだけで楽しい。この人にこれを送りたい、という気持ちになってくる。すでに自腹でかなりの数を買ってしまった」(渡辺さん)
今まで培ってきたノウハウと違うロジックのスタンプが好評を得ているのも面白さだ。一般的にスタンプがよく使われるシーンは「レスポンス」。「おはよう」「飲みに行こう」などのあいさつや誘いではなく、「OK」「分かった」などの応答、感情を示すスタンプなど、相手からのメッセージへの呼応として文脈を問わず使えるものが利用数が多いという。
これに対して、クリエイターズスタンプでは使用シーンや対象年齢を絞ったものも多い。ネットで話題になった「返事をくれない彼氏を追い込むスタンプ」(森もり子さん)は20〜30代の女性をターゲットに「返事マダ?」「既読じゃん」「今どこ?」など相手に働きかけるセリフが並ぶ。「使う相手やシチュエーションが限定されてはいるものの、これだ! というシーンがリアルに想像できる」(渡辺さん)とユーザーの共感を集めているようだ。
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