経理担当者がいない個人事業主や零細企業にとって、請求書の送付は面倒な作業だ。請求書のテンプレートを用意し、請求額や送付先を入力して印刷し、はんこを押し、切手を貼り、ポストに投函――と、時間も手間もかかり、本業に使える時間やエネルギーが圧迫される。
クラウド請求書「Misoca」は、そんな手間を究極まで減らしたサービスだ。Webブラウザから請求書を作成し、そのまま印刷・郵送できる。使い慣れれば、請求書の作成から郵送まで数分程度で完結。初期費用、月額費用はゼロ。送料は1通あたり180円(税込)だ。
「無駄なことが嫌いなんです」。Misocaを運営する名古屋市のベンチャー企業・スタンドファームの豊吉隆一郎(とよし・りゅういちろう)社長は、こう言い切る。請求書を作ったり送付する作業は、豊吉さんにとって「無駄」の1つ。できるだけ手間なく終わらせたいと、Misocaを開発した。
最初の“顧客”は自分1人だったが、フリーランスを中心に人気が広がり、現在では1万3000もの個人・法人が利用、月間10億円分以上の請求書が作られているという。
Misocaは、請求書を簡便に作るためのさまざまな機能を、シンプルなユーザーインタフェースの中に備えている。
Web上のテンプレートに、請求額や振込先、住所、印影など必要事項を入力して請求書を作成。過去に入力したデータをそのままコピーして使うことも可能だ。請求書はPDFで出力したり、メール送信も可能。見積書や納品書、領収書も作成できる。
宛先を指定し、「郵送する」ボタンを押すだけで郵送が完了。提携先企業が、印刷や宛名書き、封入、投函まで行ってくれる。印刷したり切手や封筒を用意したり投函する手間なく、最短で翌営業日に発送される。費用は、あらかじめ登録しておいたクレジットカードで決済される。
「請求作業が楽になった」「嫌いだった請求書送付が、楽しくなった」――ユーザーからのそんな声を励みに、開発を続けている。
「仕事では紙を使わないのに、請求書は紙でくださいって言われて……」――2011年に起業する前は、フリーランスとしてWeb制作を請け負っていた豊吉社長。請求書を作る際は、Excelの請求書テンプレートを探し、項目を入力し、コンビニのネットプリントで印刷し、投函していたが、入力ミスで再プリントをしたり、投函し忘れることもあり、わずらわしく感じていた。
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