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印刷せず、ポストに行かずに請求書発送――名古屋発・クラウド請求書「Misoca」の挑戦(3/3 ページ)

» 2014年06月13日 09時02分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 「東京と名古屋で、次元が3つぐらい違う」と、共同創業者で取締役の松本哲(まつもと・さとし)さんは言う。特に異なるのは情報量と空気感だ。「東京でのスピード感とか熱が、名古屋にはまったく伝わってこない」(松本さん)上、情報量は「何倍――というより、1か0かぐらいの差があると感じている」(豊吉さん)。

 名古屋にはITベンチャーの数そのものが少なく、提携先やメディアも東京中心。ベンチャーキャピタル(VC)もほとんどない。VCから出資を受け、赤字を先行させながらサービスを急拡大させる――東京のベンチャーでは当たり前の流れが名古屋では想像できず、出資を受けるのも苦労したという。

 名古屋で続けるメリットもある。ライバルが少なく目立てることや、他社の動向を気にせずに開発に専念できること。「他社がゲームで何億円稼いだ、などの情報にふりまわされない」と豊吉さんは話す。

 8人いるスタッフは全員、エンジニアだ。名古屋にはトヨタ自動車関連会社が多く、優秀な組み込みエンジニアがたくさんいるという。岐阜や東京に住み、Googleハングアウトを使いながらリモートで働いているエンジニアも2人いるそうだ。

画像 スタンドファームの名古屋オフィスに勤務するスタッフ

「世界を変えている気がして面白い」

 「ITで世の中の無駄を減らしたい」――そんな理念で経営する同社。最初に開発したチケット管理サービスは、大手の競合が次々に現れて苦戦したが、Misocaには強い手応えを感じている。

 「Misocaのおかげで請求作業が楽になったと言われ、世界を変えている気がして面白い。オフィスでかちゃかちゃとキーボードを叩いているだけで、世の中のフリーランスの方々の生活の一部を変えられたのは、プログラマー冥利に尽きます」(豊吉さん)

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