アダルトPCゲームやアニメ事業などを展開するニトロプラスが6月初めに公開した2次創作に関するガイドラインが「厳しすぎる」などと物議をかもしていた問題で、同社は7月9日、「取引実態に即して包括的に判断し、過度な営利性がなければファン活動として許容する」などと追記した改訂版ガイドラインを公開した。
従来のガイドラインでは、許容する2次創作活動について、(1)創作性がある、(2)販売量の総累計数が200個以内、(3)売り上げ予定額10万円以下、(4)直販・小規模な通信販売のみで、書店委託は認めない――などを条件とし、販売規模がこれを上回る場合は、同社にロイヤリティを支払う「アマチュア版権申請」を行うよう求めていた。
改訂版では、これらの記載は維持した上で、新たに「2次創作活動における同人誌等の活動に関する取り扱いについて」と題したページを追加。「2次創作活動について特殊な実態があることを鑑み、取引実態に即し、包括的に判断した上で、概ね過度な営利性がないものと判断しうるような事例については、従来通りファン活動の範囲内として許容させていただければ」としている。
また、「書店委託は認めない」としていた事項には、「上記は例示的記載であり、たとえば内容や対象等が特殊な範囲内において、特定可能性が高い対象に対して、結果的にその活動が小規模となりうると推測しうる範囲での行為であれば表面上委託販売であっても、直接販売と判断しうるような場合もある」と追記している。
改定後の内容には、「包括的に判断」「結果的に小規模になりうると推測しうる」などあいまいな文言も多いが、「モラルの範囲内で判断し、対応してほしい」とし、個別の事例に具体的な返答はしないという。
同社は「同人誌のほか、ファンの方による2次創作活動を積極的に応援している」とし、「よろしければ見本として同人誌等を1部お送りいただければ幸い」としている。
ガイドラインについては、同社の小坂崇氣社長が7月8日、自身のTwitterで「文章の精査が甘く、意図とは異なる表現になっていた」とし、9日中にガイドラインを再改定すると明らかにしていた。
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