理化学研究所の川合眞紀研究担当理事は8月27日、死去した笹井芳樹氏から「理研CDBの副センター長を辞任したい」との申し出を受けたものの、理研が辞任を拒否した件について、「笹井先生も、じゅうじゅうご納得いただいていた」と説明した。
同日、理研が開いた研究不正防止に関する記者会見で、記者からの質問に応えた。
3月の契約更新交渉時に笹井氏から「副センター長を辞任したい」という希望を聞き、竹市雅俊センター長などと協議したが、当時は論文不正の調査委員会が調査を進めている最中で、「その後の処分などの問題があった」ため、申し出は受け入れられなかったという。
辞任が受け入れられなかったことについて、笹井氏には「じゅうじゅうご納得いただき、その後、特にそれが問題になることはなかったと思っている」という。また、竹市センター長の配慮で笹井氏の副センター長としての職務は軽減され、「研究室の運営に専念いただいたと聞いている」という。
「辞任させなかったという判断に間違いはなかったか」という質問には「そう思っている」と返答した。
野依良治理事長は笹井氏の自殺について「どうすれば一番よかったか、回避できたか、いつも自問しながら生きている。この思いを一生背負って生きていかないといけない」と痛切な思いを述べた。
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