欧州宇宙機関(ESA)は11月15日、彗星着陸を果たした着陸機「フィラエ」がバッテリー切れで休眠状態(アイドルモード)に入ったと発表した。太陽電池による充電ができれば再起動できる可能性があるという。地表を掘って得たサンプルの成分などを調べる初期観測には成功し、そのデータは地球に送信されており、ESAは「大きな科学的成功を収めた」としている。
フィラエはチュリモフ・ゲラシメンコ彗星への着陸の際にもりを打ち込んで固定するはずだったが、もりは不発で、最初の着陸時からバウンドして別の地点に落ち着いた。
計画ではメインバッテリーで集中的に観測を行い、その後セカンダリーバッテリーを太陽電池パネルで充電しながら観測を続行する予定だったが、現在の着陸地は同彗星の1日に当たる12.4時間のうち1.5時間しか太陽光が当たらず、当初予定地の7時間に比べ大幅に短い。初期観測で得られたデータはロゼッタ経由で地球に送られたが、バッテリーの電圧低下のため観測機器をシャットダウンした。
フィラエを回転させてより太陽光を受けられるようにする指令を出しており、充電によって観測再開を目指している。
彗星の歌声、ロゼッタが聴いていた 不思議な“歌”公開
ようこそ彗星へ フィラエ着陸地の様子、初公開
着陸直前の彗星表面、写真公開 フィラエが撮影
人類初の彗星着陸に成功 探査機ロゼッタと着陸機フィラエ
探査機ロゼッタ、彗星への着陸機分離に成功
人類初の彗星着陸へ 探査機「ロゼッタ」、12日に着陸機投下
探査機ロゼッタ、彗星と一緒に“自分撮り” 着陸機の投下ポイント決定
探査機「ロゼッタ」、彗星に到着 鮮明な写真を送信
彗星探査機「ロゼッタ」、2年7カ月ぶり再起動 「深宇宙ハイバネーション」成功Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR