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「調教いらず」CeVIOの新人歌手、熟女とおっさんを調教してみてわかったこと(2/4 ページ)

» 2015年03月19日 15時39分 公開
[松尾公也ITmedia]

英語っぽい発音もできる

 CeVIOの公式ページで公開された新しい調教テクニックとして、「母音の脱落記号」がある。

 例えば「ナオミの夢」を最初にカバーしたときには、母音を省略する方法がわからなかったので、「Come back to me」を「かんばっとぅんみ」と耳コピ的に入力した。だが、新テクニックを使えば、[m]や[k]をそれに続く母音なしで発音させることが可能だ。「’」(全角アポストロフィ)を歌詞に含めると、1つ前のカナの母音が脱落して子音だけになる。それを適用したのがこちらの動画だ。わかりやすくするために、課題部分をデュエットではなくソロにしてある。

 現時点ではCeVIOで英語はサポートされていないが、このテクニックを使えば、よりそれらしい発音で歌わせることができるだろう。英語だけでなく、日本語でも子音だけで発音させたい場合にも重宝する。ちなみに、VOCALOIDでも非サポートではあるが、[_o]という記号を直接追加することで、母音を無声化することが可能だ。

おっさんと熟女、果たして本当にそうなのか?

photo 金咲 小春さん

 さて、CeVIOの昭和組のお2人だが、当初の公式デモ動画では30秒程度しか流れていなかったので、本当に演歌を歌えるのか、歌謡曲、フォークはどうなのかと心配になった方もいるだろう。

 そこで、実際に試してみた。まずは金さん、小春おばさん、じゃなかった。「金咲 小春」さんだ。

 聞いた感じだと50〜60代だが、設定では52歳。「気の強いおばさん」だが「気品あふれる大人の女性」でもあるそうだ。どっちだ?

 歌い方は、極端に深いビブラートが常時かかってる感じ。そして音の入りがかなりゆっくり。1つの音素内でトーンが変わっていく様が、演歌・歌謡曲っぽい。ビブラートの深さや速度はデフォルトのまま、「PIT」モードでシャクリを入れるくらいにとどめたのが、こちらの動画だ。

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 ベンチャーズが作曲したGS歌謡、渚ゆう子の「長崎慕情」。42秒あたりの「てもー」とメロディーが降りてくるところは熟女っぽい色っぽさがある。一方で、演歌っぽく発音がくぐもったところがときどき出てくるのだが、「TMG」モードで音素の比率を変えることで回避可能だ。

 歌謡曲の次は得意ジャンルの1つとして挙げられていたフォーク。女声フォークの人で深いビブラートの人はあまり思いつかないので、唯一知ってる中島みゆきの「時代」を選んでみた。ただ、元曲のビブラートが「金咲 小春」のデフォルトよりも高速に揺れているので、スピードをコントロールする「VIF(Vibrato Frequency)」モードで、全体を高速化してみた。

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 CeVIOでは、領域を指定すると、上下に動かすことができるから、一括でビブラートの速度、深さを変更できるのだ。中の人の歌唱力に上乗せして調教できるのが、とても楽だ。

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