東北大学は3月19日、LINEなどの無料通信アプリの長時間使用が、睡眠時間や学習時間の不足より大きく学力低下に影響を与えると発見したとする調査資料を発表した。「スマホ/携帯の使用時間はどんなに長くても1時間以内に抑えるべき」と啓発している。
「スマホ/携帯電話を長時間使用するといくら勉強していても成績が下がる」という既存の調査結果に基づき、さらに踏み込んだ調査を実施。同じ「平日に30分未満しか勉強しない」生徒群の中でも、LINEやカカオトークなどの通信アプリを使わない(スマホや携帯電話を持っていない)クラスタの学力検査(数学)の平均点は61点だったのに対し、3時間以上使うクラスタの平均点は50点以下だったという。
平日1日当たりの通信アプリの使用時間は、勉強時間や睡眠時間の短さによる学力低下への影響力よりも強かった。通信アプリの使用で勉強や睡眠の時間が減った結果として成績が下がるのではなく、通信アプリが直接的に成績を下げる方向に作用している可能性があり、「分析を行った研究チームとしても、非常に衝撃的な結果」としている。
調査は、川島隆太教授を中心とした「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」の主導する仙台市内の小中学生4万人以上を対象とした生活・学習状況調査によるもの。今年度の結果を踏まえ、研究活動は引き続き継続する。
中学生のスマホ所有率は34.4% 親の4割は「本当は持たせたくない」
青少年の被害が急増「ID交換掲示板」 業界団体が実態調査
5人に1人が「ネットをやめたくてもやめられない」 未成年者調査、「やめられず苦しい思い」女子高生の4割
「生徒も『プリントの方がいい』と言います」 佐賀県の授業用タブレット問題、現場から伝えたブログ終了Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR