「新しいMacBook」が4月10日、発売された(日本では店頭に並ばなかったが……)。海外の先行レビュワーはほとんどが「これがノートの未来だ」と革新性を高く評価する一方で、実用上は統合された1つのポートやバッテリー駆動時間の短さがネックになると指摘している。
新しいMacBookは12インチ(2304×1440ピクセル)の高解像度ディスプレイとデュアルコアCore Mプロセッサ(1.1GHz/1.2GHz)、8Gバイトオンボードメモリ、256G/512GバイトPCIe SSDを搭載。厚さは約13.1ミリと、11インチMacBook Air(17.3ミリ)よりさらに薄く、重さは約920グラムと1キロを切っている。
ヘッドフォンポート以外のポート(電源、HDMI出力、DisplayPort、アナログRGB出力、USB)は、本体左側面に装備したUSB Type-Cのポート1つに統合。キーボードは従来のMacBookシリーズより薄くフルサイズになり、「バタフライメカニズム」と名付けられた新技術で“4倍正確な”入力が可能になっているという。トラックパッドは2種類のクリックを検知し、強く押すことでさまざまな操作が可能になっている。
「ゴールド」を加え、シルバーとスペースグレイの3色展開。価格は14万8800円と18万4800円の2モデルだ。
「新型MacBookはポータブルコンピューティングの進化を表しているが、その意味において、これは次に買い替えるマシンというよりコンセプトの証明だ」──Wall Street Journalに掲載されたレビューでジョアンナ・スターン氏はこう述べている。製品としては優れているが、実用機としては「1つのUSB-Cポート」がネックになるという評価だ。
ゴールドモデルは「ティファニーのように」美しく、スペースグレイとシルバーの仕上げも絶賛している。キーボードは小型化のため新しいメカニズムを採用しており、少し広くなったキーサイズは「まだわたしのMacBook Airほどは快適ではない」が、慣れの問題だろうとしている。
やはり問題になるのはポート。「新型MacBookはノートPCの未来を見せてくれるタイムマシンだ」と革新性は評価するものの、実用にはさまざまな困難が伴うという評価。現状の解決法として、Appleが販売している拡張用マルチポートアダプタ(税別9500円)を挙げている。
MacBook Airに比べるとバッテリーライフが短いのも残念だという。テストによると、ストリーミングビデオの再生では13インチMacBook Airが11時間だったのに対し、新型MacBookは7時間。Webブラウジングテストでは、13インチMacBook Airが11.5時間だったのに対し新型MacBookは6.5時間だったという。ただしディスプレイ解像度が大きく異なると断っている。
Mashableも「コンピューティングの未来へようこそ」と革新性を絶賛する一方、「万人向けではない」とする。パワーが必要ならMacBook Proが、モバイル性が欲しいならMacBook Airがある。より薄くより軽いMacBookが必要という特別な人向けで、例えば理想的な学生向けノートかもしれないという。
サイズ感は「ノートPCの代わりにビルトインキーボード付きiPadを使っている」ことを思わせるという。バッテリー時間はテキストエディタやWebブラウジングなどの利用で7時間以上は使用できたとして、「大きさを考えれば素晴らしいパフォーマンス」と擁護している。
USB-Cポートについては実用上はポートリプリケータを使えば問題はないが、そのためにデバイスを外付けするのはいまいちで、やはりポートはもう1つあったほうがいいという。
re/codeのレビューもキーボードは1週間で慣れたとしている。新しいトラックパッドの機能はあまり使うことはなかったというが、長い目で見れば普及していくだろうとみている。やはり実用上のネックとしてポートを挙げているが、MacBook Airから有線LANポートや光学ドライブがなくなったように、現在必要とされている各種ポートもいずれは「誰が使うの?」と言われるようになる──と、1つのUSB-Cポートに未来を感じているようだ。
The Vergeは「使った後はMacBook Airが大きく感じるほどだ」とサイズに驚いている。Ars Technicaはプロセッサやバッテリーのベンチマーク結果を掲載している。USA TodayやBloombergもレビューを掲載しており、新型MacBookへの関心はとても高い。
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