米Appleは6月8日(現地時間)、年次開発者会議WWDC 2015において、次期OS「iOS 9」の新機能としてユーザーの意向を先回りして(プロアクティブに)情報を表示する「Proactive Assistant」を発表した。
米Googleの「Google Now」と同様に、ユーザーによるメール、カレンダーなどのサービスやアプリの利用履歴と時間、位置情報に基いて、関連性が高いと判断した情報を“ユーザーが尋ねる前に”提示するというものだ。
例えば、毎朝ランニングしている時間にiPhoneにヘッドフォンを接続すると、いつもランニング中に使っている音楽アプリでランニング用の曲がスタンバイする。航空券やレストランの予約確認メールを受信すると、自動的に予定をカレンダーに入力する。また、交通状況を考慮に入れて、予定に間に合うよう出発するタイミングでプッシュ通知を表示したり、電話の着信があった場合、その番号が誰のものかを表示する。
ヘッドフォンを接続すると適切なアプリが起動するというのはないが、他はGoogle Nowで実現されている機能だ。Googleはさらに、先日のGoogle I/Oで、ホームボタンを長押しするだけで起動しているアプリのコンテンツに関連する情報を提示する「Now On Tap」という機能を次期Androidに追加すると発表している。
だが、Google NowとProactive Assistantには大きな違いがある。それは、GoogleはユーザーによるGoogle Nowの使用履歴データを収集し、広告表示などに利用するが、Appleは個人データを集めないことだ(と、AppleはGoogleの名前こそ出さなかったものの、そう説明した)。
Proactive Assistantを紹介したソフトウェアエンジニアリング担当副社長のクレイグ・フェデリギ氏は、Appleはこうした情報を提供する際にもユーザーのプライバシーを大切にしており、すべてのデータは匿名化され、Apple IDとリンクしたりサードパーティーに渡したりすることはないと強調した。
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