米Appleが6月8日(現地時間)に開催した年次開発者会議WWDCの基調講演で発表された主な項目を時系列にリストアップする。各項目についての詳細記事へのリンクは順次追加していく。
うわさ通り、新ハードウェアは何も発表されなかったが、新音楽サービス「Apple Music」は100カ国以上で開始としているので、ほぼ確実に日本でも6月30日から利用できそうだ(紹介動画には日本らしきシーンも登場した)。
最初に登壇したティム・クックCEOは、OS X、iOS、watchOSを紹介すると語った(Apple Musicは「One more thing」として発表)。
OS Xの紹介は、例年通りソフトウェアエンジニアリング担当副社長のクレイグ・フェデリギ氏。まず、現行Mac OSのヨセミテの普及率が55%で、Windows 8.1は7%だというグラフで会場を沸かせた。
次期OSの名称は、ヨセミテ渓谷に立つ巨岩「エル・キャピタン」。「Spotlight」やビルドインアプリ、ウィンドウ管理などの新機能が紹介された。
パフォーマンスについては、OpenGLをMetalに置き換えたことで50%アップしたとしている。
開発者向けβは同日リリース、一般向けβは7月、正式版は“今秋”リリース。
OS 9の紹介もフェデリギ氏が担当。OS 8の普及率は83%で、今度はAndroid 5は12%というグラフを披露した。
新機能としては、米Googleの「Google Now」のようにコンテキストに基いて情報を提供する「Proactive Assistant」、検索機能の強化、「Siri」の新機能などが紹介された。
Proactive Assistantの紹介では、(Google Nowのように)ユーザーデータを収集しないことを強調した。
開発者向けβは同日リリース、初の一般向けβは7月、正式版は“今秋”リリース。
アップデートできる端末は以下の通り。
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iOS 9のモバイル決済機能「Apple Pay」の説明は、ジェニファー・ベイリー氏という女性が担当した(Google I/Oのデモのダイバーシティが話題になったが、Appleも女性登壇者を増やしたようだ)。
Apple Payを使える小売店が増えたこと、米Squareが参加すること、米国だけでなく、初の海外として英国で利用できるようになることなどが発表された。英国ではロンドン交通局も採用した。
クレジットカートおよびデビットカードだけでなく、小売サービスのポイントカードも統合できるようになったこともあり、「Passbook」という名称は「Wallet」に変わる。
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プリインストールアプリのNotesが、Evernoteや米MicrosoftのOneNoteのような手書きや写真、URLの追加機能が追加され、チェックリストを簡単に作成できるようになった。
NotesはiOS端末およびMacでiCloud経由で同期する。
うわさ通り、バスや地下鉄などの乗換案内機能が追加される。駅構内の歩き方まで提示する。まずは欧米の主要都市をサポートする。
Nearby機能では、現在地の近くの店舗が表示され、Apple Payが使える店にはそのアイコンが付く。
新しいプリインストールアプリ「News」の紹介も、女性(スーザン・プレスコット氏)が担当した。
NewsはFlipboardのようなパーソナルマガジンアプリ。最初に自分の興味のあるカテゴリをタップして選ぶと好みに合わせたメディアの新着記事が表示されるようになる。
横スワイプで次々に記事を表示でき、後で読みたいものはブックマークすることも可能だ。
コンテンツは画像や動画などがNews用に最適化され、オリジナル記事にはないアニメーション表示もされる。
まず米、英、オーストラリアでスタートする。参加するメディアは、メディアコングロマリットのCONDE NAST(WiredやVogueなど)、New York Times、ESPN、Guardianなど多数。
キーボード上で2本指でスワイプすることでテキストをコピーできる機能やマルチタスキング、2画面表示「Split View」、動画ウィンドウを他のアプリ作業中に小さく表示する機能などが紹介された。
これらの新機能は、Air/Air 2/mini 2/mini 3で使えるようになる。ただし、2画面表示が使えるのはAir 2のみ。
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「App Thinning」など新機能が多数追加され、2015年中にLinuxにも対応する他、オープンソースになる。
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App Storeからのアプリダウンロード数が1000億本を超え、開発者に支払った料金は累計300億ドルになった。登録アプリ数は約150万本。
Apple Watchの新OS「watchOS 2」では、iPhoneを必要としないいわゆる「ネイティブアプリ」が開発できるようになる。
Apple WatchのOS「watchOS」の紹介を担当したのは、昨年同様に元Adobe Systemsのケビン・リンチ氏。
従来より柔軟なカスタマイズが可能なウォッチフェイス「Timepiece」や充電の際に横表示にする機能、「Digital Touch」で複数の色が使えるようになったこと、Siriでの道案内機能などが紹介された。
こちらも開発者向けβは同日、正式版リリースは今秋。パブリックβはない。
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Beats Music統合の新しい音楽サービスは「Apple Music」という名称になった。
6月30日に100カ国以上でスタートする。日本が含まれるかどうか具体的には示されなかったが、紹介動画に日本らしきシーンが2回(畳の部屋で腹筋するメガネの男性のシーン、デコトラで音楽を聴く男性のシーン)登場した。
秋にはAndroidアプリも登場する。
Beats Electronicsの共同創業者、ジミー・アイヴォン氏が登壇し、Apple Musicはストリーミング、ビデオ、ソーシャル機能、ダウンロードなどすべてをまとめたものだと説明した。
Apple Musicは、人間がキュレーションする音楽サービス、年中無休のラジオ「Beats 1」、ファンとアーティストを結ぶ「Connect」で構成される。
価格は月額9.99ドルで、最初の3カ月は無料。6人までの家族で利用できる月額14.99ドルのプランもある。
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最後はカナダのアーティスト、Weekndのライブと、ティム・クック氏の「またお会いしましょう」で締めくくられた。
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