米Appleは6月8日(現地時間)、米サンフランシスコで開催中の開発者向けカンファレンス「WWDC 2015」にて、次期iOS「iOS 9」を発表した。2015年秋にリリースする。
その概要は既報の通りだが、「iPad」向けにマルチタスク機能が強化されたことに注目したい。
iPad Air/iPad mini 2以降では「Slide Over」機能により、Windowsタブレットのように2つ目のアプリを細長いバー状に起動可能。左に大きく表示したSafariから、右に小さく表示したメモ(Notes)アプリにドロップしてリンクを貼り付けるといった操作が手軽に行えるようになる。
さらにiPad Air 2には「Split View」機能が追加され、均等に画面を2分割し、2つのアプリを同時に扱える。例えば、Safariで観光地のWebサイトを閲覧しながら、マップ(Maps)アプリで場所を調べるといったマルチタスク操作が1画面内で完結できるようになるのだ。
画面内のアプリ分割線はドラッグで移動でき、Slide Overの状態からSplit Viewによる完全な2アプリ同時操作へ切り替えられる。分割された画面でも4本指のスワイプによるアプリ切り替えが個別に行える。
動画の「Picture in Picture」機能も加わった。FaceTimeや動画再生中にホームボタンを押すと、映像が子画面表示に切り替わり、親画面で別のアプリを利用できる。これにより、動画をながら視聴しながらメールチェックするといった使い方が可能だ。
なお、文字入力については、ソフトウェアキーボードの予測変換候補を表示する上部バーに、カットやコピー、ペースト、添付などの操作ができるショートカットボタンを追加した。このキーボード上を2本指でドラッグすることで、トラックパッドのようにカーソルを移動して選択範囲が行える。ワイヤレスキーボード接続時には、アプリ切り替えなどのショートカットも利用可能だ。
メモ(Notes)アプリが、フォント変更、チェックリスト作成、手書きメモ追加、Safariからのリンク挿入、マップ、写真、動画の貼り付けに対応するなど、大幅に進化したことと合わせて、iOS標準の文書作成環境がより使いやすくなることが期待できる。
iOS 9がサポートするiPad製品は、iPad 2、iPad(第3世代)、iPad(第4世代)、iPad Air、iPad Air 2、iPad mini、iPad mini 2、iPad mini 3だが、上記のようにマルチタスクのフル機能が使えるのはiPad Air 2のみとなる。
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