ついに販売が始まった「新しいMacBook」。PC USER編集部では早速ゴールドモデルを入手し、“開封の儀”を行っているが、続いて簡単なベンチマークテストにより本製品のパフォーマンスを見ていく。
アップル初のファンレスノートである本機は、Mac史上、最も軽く、最も薄いモバイルノートPCでもある。12型Retinaディスプレイ(2304×1440ピクセル)を搭載しながら11インチMacBook Airよりも薄いデザインは、一目見ただけでため息が出てしまうほど美しい。
ただし、ファンレスを実現するために採用したCPUは、TDP(熱設計電力)が4.5ワット(SDP:特定シナリオを想定した電力指標 3.5ワット)の「Core M」だ。これはMacBook Proが搭載するCore i5/i7(TDP 28ワット)はもちろん、MacBook Airが搭載するCore i5/i7(TDP 15ワット)よりも処理性能は低い。そのぶん、省電力で低発熱なので、薄型軽量のファンレスボディを実現できたというわけだ。
MacBookの購入を検討している人の中には、Core Mの処理性能を心配している方も多いだろう。
時間的な制約から、液晶ディスプレイの品質検証や使い勝手などの詳細なレビューは後にゆずり、ここでは取り急ぎCPU性能を測るCINEBENCH R11.5とCINEBENCH R15、そしてSSDの性能を見るためにBlackmagic DesignのDisk Speed Testを実行した。なお、MacBookの背後にある世界観をより詳しく知りたい方は林信行氏の実機リポートを、新キーボードや新トラックパッドの使用感が気になる方はファーストインプレッションを参照して欲しい。
ここでは第5世代Core(開発コード名:Broadwell)を採用する最新の「11インチMacBook Air」と「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」を比較対象としている。具体的なスペックは以下の通り。
比較したモデルの主なスペック | |||
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製品名 | MacBook | 11インチMacBook Air | 13インチMacBook Pro Retina |
CPU | 1.1GHz Core M(最大2.4GHz/L3キャッシュ4MB) | 1.6GHz Core i5(最大2.7GHz/L3キャッシュ3MB) | 2.7GHz Core i5(最大3.1GHz/L3キャッシュ3MB) |
メモリ | 8GB(1600MHz LPDDR3) | 4GB(1600MHz LPDDR3) | 8GB(1866MHz LPDDR3) |
ストレージ | 256GBSSD(PCIe接続) | 128GB(PCIe接続) | 128GBSSD(PCIe接続) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 5300 | Intel HD Graphics 6000 | Intel Iris Graphics 6100 |
それではCINEBENCHの結果を見ていこう。CINEBENCH R11.5のCPU(pts)スコアは、MacBook Proの3.38、MacBook Airの2.75に対して、MacBookが2.19となった。MacBookに搭載されるCore MのCPU性能は、MacBook Airの80%ほどということになる。
また、CINEBENCH R15も同様の傾向で、CPUスコア(cb)は、MacBook Proの317、MacBook Airの255に対して、MacBookは208とこちらもAirに対して8割前後の処理性能であることが分かる。
OpenGLの結果もMacBookのCPU内蔵グラフィックスはHD Graphics 5300と一段劣るため、AirやProに比べてやや低い値になっている。MacBookではCTOで1.3GHz Core M(最大2.7GHz)を選択できるが、内蔵グラフィックスは同じなのでこの辺りの傾向はほぼ変わらないはずだ。
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