SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】(1/2 ページ)

» 2024年05月06日 13時15分 公開
[井上翔ITmedia]
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 手持ちのPCのパワーアップ手段の1つとして、内蔵ストレージ(SSD)の換装(取り換え)が挙げられる。以前、工場出荷時への復帰(リカバリー)のついでにノートPCのM.2 SSDを換装する方法を紹介した。

 SSDの換装とリカバリーを同時にやるのは、余計なファイルのクリーンアップを同時にできるというメリットがある。その反面、ローカル保存しているファイルのバックアップと復元に手間が掛かるデメリットもある。

 そう考えると、元のSSDにあるデータを新しいSSDに“丸ごと”コピーする方法が一番簡単だ。やり方は幾つかあるが、PCに追加のソフトウェアを追加したくないなら「ディスク(SSD)クローンデバイス」の導入がお勧めだ。

 今回、PCI Express(NVMe)規格のM.2 SSDに対応するクローンデバイスとしては比較的手頃な、センチュリーの「M.2 NVMe SSDクローンBOX バスパワーUSB10G(CMNV2U10GCP)」を試す機会を得た。税込みの実売価格は1万円前後となる。

 この記事では、本デバイスの特徴について簡単に紹介したい。

パッケージ 「M.2 NVMe SSDクローンBOX バスパワーUSB10G(CMNV2U10GCP)」のパッケージ

M.2 SSDに特化することで非常にコンパクト

 センチュリーでは、ストレージのクローンデバイスいくつか手掛けている。大きく分けると、“完全な”クローニング特化型の「これdo台」の他、外部ストレージデバイスとしても使える「裸族のお立ち台」が有名だ。

 今回紹介するM.2 NVMe SSDクローンBOXは、3月26日に発売されたばかりの新製品で、センチュリーのクローンデバイスにしては“素直な”名前が付与されている。名前の通りPCI Express(NVMe)規格のM.2 SSDのクローニングに特化しているため、Serial ATA接続のM.2 SSDや、PCI Express接続でもAHCI規格のM.2 SSDから(へ)のクローニングには利用できない

 もっとも、ここ数年のPCに搭載されるM.2 SSDは、大手メーカーを中心にNVMe規格に準拠したものがほとんどなので、そこまで気にする必要はない。「自分のPCにM.2 SSDが搭載されているのは知っているけれど、規格まで知らない」という人は、CrystalDiskInfoを使って、ストレージの「インターフェース」を調べてみることをお勧めする。

規格のチェック CrystalDiskInfoのインタフェース欄に「NVM Express」と表示されれば、そのストレージはNVMe規格であることが分かる

 話がわき道にそれそうになったが、本製品はNVMe規格のM.2 SSDに特化することでコンパクトなボディーを実現している。

 M.2 SSDには幾つかのモジュールサイズが存在するが、本製品ではメインストリームの「Type 2280(22×80mm)」の他、よりコンパクトな「Type 2260(22×60mm)」「Type 2242(22×42mm)」「Type 2230(22×30mm)」サイズのモジュールにも対応している。最近はType 2280以外のモジュールを搭載するPCも増えているので、ありがたい。

 スロット下方(モジュール裏面側)の空間的余裕も比較的あるため、モジュールの両面にチップを実装しているM.2 SSDにも対応可能だ。ただし、あらかじめヒートシンクが装着されているM.2 SSDには対応しない。ヒートシンク付きのM.2 SSDを使う場合は、裸族のお立ち台シリーズを使うといいだろう。

移動させる モジュールを固定するためのゴムピンを差し込む位置によってType 2280よりも“短い”M.2 SSDモジュールにも対応できる。ただし、通常時は放熱シート付きのふた(右)で封をして使うため、あらかじめヒートシンクが装着されているM.2 SSDには対応しない
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