その上で「今ポスターを見てみると確かに、(エンブレムの原案と同様、Tの文字の右下に)丸い円があるが、ポスターの円はドットを意味している。自分がデザインしたエンブレムの丸は、日の丸や鼓動、情熱などを意識し、T隣接している。色も違うし、まったく模倣はしていない」と説明したという。
エンブレム選考の審査委員長で、1972年の札幌五輪のシンボルマークをデザインした永井一正さんは、組織委・佐野さんとの協議の席で、「デザイン界の理解としては、正方形を9分割して作られた佐野さんのデザインの基本と、チヒョルト展のポスターのピリオドとはまったく違うものなので、佐野さんのオリジナルなものとして認識される」と話した一方で、「このような説明は、専門家の間では十分分かり合えるが、一般国民には、残念ながら分かりにくい」とも話していたという。
佐野さんは「私のデザインは模倣ではなく、模倣だから取り下げるということはできない」としつつも、佐野さん本人や家族への誹謗中傷が止まないことに加え、エンブレムが一般国民から受け入れられていない現状を受け、「オリンピックのイメージに悪影響が及んでしまう」と判断。「エンブレムの原作者として提案を取り下げたい」と話し、組織委・永井さんとの3者で意見が一致し、取り下げを決めたという。
組織委は新しいエンブレムの公募を近くスタートする予定。詳細は今後詰めるとしている。
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