前の段でご紹介した人気商品のなかでも、とくに注目したいのが医療品。「日本の医療品の性能はとても素晴らしい」といううわさがあっという間に広がり、最近では“神薬”と呼ばれるまでに!
アジア人観光客向けのガイドブックには、「日本に行ったら買わねばならない神薬」という特集まで組まれているそうで、ドラッグストアに行くと、そうしたガイドブックのコピー切り抜きを手に、買い物されている人も多く見かけます。
病気に罹ったときに使う市販薬から、美容に関するものまで……。とくに、世界に類似品がない傷口を水分から保護する液体絆創膏、「口内炎」が発症したときにシールを口の中にはるパッチ、額に貼る冷却シート、美しい容器が人気目薬などは、爆発的ヒット商品に。
こうしてみると、日本人である私たちにとってはどれも身近なドラッグストアで買えるものばかり。観光ついでに気軽に手に入る点も、人気の高さを裏づける理由となっているようです。
また中国では、病気になってしまったときは、なるべく病院へ行かず、薬も飲まず、自力で治そうと努め、ひどくなった場合も漢方薬、鍼(はり)などで対処する方法が、今日も一般的であるお国事情も関係していそうです。
ちなみに、日本の魔法瓶もよく購入されています。中国では水道水がないため、外出中にのどが乾いたら、売店でペットボトル飲料を買うか、手作りのお茶を飲むしかありません。毎回ペットボトルを買うのはもったいない、体を冷やさないように温かい飲み物を飲む、という点から魔法瓶を持ち歩くのですが、日本の魔法瓶は保温効果が高く品質がよいと話題なのです。
爆買いは自分で使うための買い物だけでなく、家族や友人に頼まれて購入する人たちも多く、主にネットでの口コミによって人気の商品が決まっているそう。多くのアジア人観光客が、日本のつぶやきサイトに似た「微博(ウェイボー)」や、チャットのようなやりとりができる「微信(ウェイシン)」で、買い物を頼んだり、買うべき商品を決めているといいます。
爆買い人気商品のラインアップを見ていると、老若男女さまざまな層の人が趣味や日常生活のために日本製品を買っていることがわかります。
――私たちが当たり前のように使っているものが、ほかの国の人々に喜ばれているのはうれしい限りですが、困ったことに、国際空港の出発ロビーでは、土産品の梱包をといったたダンボールや包装紙のゴミの山があちこちに積まれ、清掃人の数を増やして対処しているといった空港の困った実情の報道も! これは帰国前に少しでも荷物を減らそうとするあまり、日本で購入した家電や靴の梱包をゴミとして放置していることによるものでしょうが、社会現象ともなった爆買いは、さまざまなところに多大な影響を及ぼしているようです。
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