昨年12月に任天堂の一部タイトルが同プログラムの対象に、それ以外のすべてのタイトルも“公式2次創作”が可能になった。続いて3月にはバンダイナムコが「パックマン」など自社IPを解禁している。
これまでグレーゾーンだった実況動画やMADが公式に認められたことをポジティブに捉える声が多く上がる一方、「Splatoon」(スプラトゥーン)、「スーパーマリオメーカー」など奨励金対象の人気タイトルの実況動画がランキング上位を占めることもあり、一部ユーザーからは「多様性を損なう」「収入目当ての投稿が増えているのでは」と指摘されていた。
今回発表されたデータによると、クリエイター奨励プログラムの登録作品のうち、動画が占める割合は76.6%と、前回発表時の75.1%と大きく変化はない。動画以外は静画(イラスト)16.5%、コモンズ(素材データなど)5.1%、生放送1.8%――と続く。
「再生数だけを狙った“釣り”動画も目立つ」という声も上がっているが、奨励プログラムの指標となる「人気度」は単なる動画再生回数ではなく、「不正は運営側でも認識し、厳正に対処している。工作の多くは収入につながっていないと思う」(伴さん)とする。
「公認を受けたすべてのタイトルが同じような状況になっているわけではなく、何よりまずゲーム自体に実況者や視聴者を惹きつける面白さ、魅力があったから。ユーザーの創作活動が公認され盛り上がるのは喜ばしいこと」(伴さん)
他社からも同様の許諾を与えたいという相談、打診は寄せられており、今後ゲームだけでなく音楽分野などにも広がる可能性があるという。
動画制作以外にも、6月にTSUTAYAの一部店舗で始めた同人CDレンタルを全国に解禁。従来の即売イベントやネット通販だけでなく店頭に置くことで、普段からネットで親しんでいるか購入するチャンスの少ない小中高生などが手にとるチャンスが増え、新たなユーザーの目にも触れている手応えがあるという。取り扱い店舗の拡大で地方を含む全国に届け、さらなる収益還元も見込む。
5月にオープンした、個人開発者らの自作ゲームを連載形式で無料配信する「ニコニコゲームマガジン」も、ゲーム開発自体にスポットを当てたクリエイター支援の形と言える。
Web上だけでなくオフラインも含め、クリエイター、ユーザーそれぞれのニーズにあった支援を今後も展開していきたいと話した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR