怪しい人物を監視し、犯罪を未然に防いで“安全・安心な都市”をつくる――そんな社会システムが実現するかもしれない。NECは「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2015」(東京国際フォーラム、13日まで)で、人工知能(AI)を活用し、複数の場所で撮影された映像から不審者を見つける「時空間データ横断プロファイリング」を発表した。同社の江村克己執行役員は「犯罪予兆によるパトロールを強化する革新的な技術」という。
複数の防犯カメラの映像データから、顔が似ている人物をグループ化し、同一人物を発見するアルゴリズムを用いた技術。同じ場所に頻繁に現れる人物や、複数のカメラに共通して映る人物を見つけ出す。犯罪の下見や物色行動、連続放火現場に共通して現れる人物などの対策に役立てるという。実証実験では、カメラ映像中の約100万件の顔データを解析し、不審者役の人物を10秒で割り出すことに成功した。
江村執行役員は、撮影した静止画像をブラックリストと照合する従来の警備と比べ、「新しい技術は動画を使用し、情報がない未登録者も自動検出する点で革新的」と意義を話す。
同社が犯罪の防止策として取り組む事業「Safer Cities」の一環だが、道に迷った観光客を発見したり、商品を買う/買わない人の振る舞いや表情を分析するマーケティング――などにも展開を予定する。音声やSNSのデータも併用し、2016年内の実用化を目指すという。「(新技術は)“今起きていること”を把握する技術。他のデータや対処法と組み合わせ、“解”を探しに行く」(江村執行役員)
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