米Teslaのイーロン・マスクCEOや米Y Combinatorのサム・アルトマン社長らは12月11日(現地時間)、非営利のAI(人工知能)研究企業OpenAIの設立を発表した。同社の目標は、営利目標にしばられずに全人類の利益になるデジタル知能の開発を推進していくことという。
両氏が同社の共同会長を務める。両氏の他、米PayPal共同創業者でVC、起業家のピーター・ティール氏、米オンライン決済Stripeの元CTO(最高技術責任者)のグレッグ・ブロックマン氏、米LinkedInのリード・ホフマンCEO、Y Combinatorの共同創業者で作家のジェシカ・リビングストン氏、米Amazon Web Services(AWS)、米Infosys、YC ResearchがOpenAIを支援し、総額10億ドルを出資する。
マスク氏は以前から「われわれはAIを慎重に扱う必要がある。AIは核兵器より危険になる可能性がある」とツイートし、非営利のAI研究組織Future of Life Institute(FLI)に多額を寄付している。
OpenAIの所長には、米Googleの“Brain Team”のリサーチサイエンティストだったイリヤ・サツキヴァ氏が就任する。同氏はGoogleが2013年に買収したカナダのニューラルネットワーク関連企業DNNresearchの共同創業者だ。CTOはブロックマン氏が務める。アドバイザーとして、“パーソナルコンピュータの父”とも呼ばれるアラン・ケイ氏も参加する。
発表文には「AIの驚異的な歴史をみると、人間レベルのAIの誕生がいつになるかを予測するのは難しい。いずれにしても実現段階で、私利私欲ではなく全人類の利益を優先させる指導的な研究機関の存在が重要になるだろう。OpenAIはそうした機関を目指す」とある。
米Google、米Microsoft、米Facebook、米Appleなどはそれぞれ人工知能の研究に取り組んでいるが、いずれもOpenAIの立ち上げには参加していないようだ。OpenAIは「多数の研究機関や企業と協力していきたい」としている。
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