フランス語と日本語で歌えるバーチャルシンガー「ALYS」(アリス)が2016年3月10日に発売される。フランス語で歌える商用バーチャルシンガーは初めて。
ALYSを開発するフランスのVoxWaveは、カナダのPlogue Art et Technologieと提携し、Plogueの歌声合成プラットフォーム「Alter/Ego」を採用すると発表した。
2015年1月に発売されたレトロ音声合成ソフト「chipspeech」を現代風に進化させたものがAlter/Egoで、9月から「Daisy」という音源とともに無料公開されている。現在は「Formant Singer」を採用しているが、他の合成方式も利用できるよう進化するとしている。
Alter/EgoはCubaseをはじめ標準的なDAW(音楽制作ソフト)で使われているVST、Logic Pro XやGarageBandで使われているAudioUnits、そしてPro Tools用のAAXプラグインにより幅広く利用可能で、Windows、Macの両方に対応する。リアルタイム演奏が可能というのも特徴の1つだ。
ALYSプロジェクトは当初、VOCALOIDの採用を予定して寄付を募っていたが、VOCALOIDがフランス語をサポートしていないため断念。フランス語を含む多言語対応可能なCeVIOを採用すると発表していた。しかし、CeVIOは日本語以外の音源をまだリリースしておらず、ソフトも未対応(技術的には可能)。長らくUTAUで作られたプロトタイプ音源によるデモ曲が聞けるだけの状態だった。
それでもフランス語で歌える商用歌声合成ソフトはないことから、フランス語圏では期待が高まっており、イラスト、3Dモデル(MMD)が多く作られている。
ALYSのために改良したAlter/Egoでは従来の英語、日本語に加え、フランス語での歌詞入力が可能。
ALYSはAlter/Egoのサイトでダウンロード販売される予定。価格およびAlter/Egoを使ったデモ曲はまだ公開されていない。
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