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YouTuberの未来は? “日本で最初の動画レビュアー”ジェットダイスケさんの考える、動画配信のこれから「好きなことで、生きていく」の現在(2/3 ページ)

» 2016年02月16日 11時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]

広告収入は「サラリーマン時代の給料よりは少ない程度」

photo 扱うジャンルはカメラやスマートフォンのレビューを中心にさまざま。「受験生の親になってみた話」など家族の話も

 2006年にYouTubeにアカウントを開設してから今年で10年になる。現在は18万人超の登録者を抱える自身のチャンネルにはほぼ毎日、10〜15分程度の動画を追加している。内容は、最新スマートフォンやカメラのレビュー、カメラ初心者に向けた撮影のコツの紹介、家族や個人に関する雑談のようなものなどさまざまだ。「ズボラだから、撮りだめできないんですよね。毎日昼に撮って夜に上げてます」。

 月によって違いはあるが、チャンネル全体では直近1ヶ月で約200万再生のアクセスを集めており、再生数による広告収入は「サラリーマン時代の給料よりは少ない程度」だという。その他、ブログからの収入、企業とタイアップした記事や動画制作――などが収入源だ。

 Googleのアルゴリズムの変更で支払いが減少したとも聞かれるが、個人の体感的には大きく変わっていないという。1再生回数あたりの単価は0.1〜0.3円程度と言われており、一律単価ではなく地域や年齢層などを加味された上で定められている。最近は「視聴時間が長い方が、よりプラスに評価される傾向があるようだ」と話す。

 習慣的にYouTubeを視聴するユーザーには小中学生も多く、人気YouTuberのファンにも若年層が多いというのはよく指摘されることだ。ジェットさんのチャンネルはガジェットレビューを扱っているため、30〜40代の男性が比較的多いが、それでも原宿の街角では修学旅行生に、近所のファミレスで中学生に――と思わぬところで声をかけられるそうだ。

 すでに動画へのアクセスの半分以上はスマートフォン経由になっており、メディアの変化による視聴習慣の変化も感じるという。スマホからのユーザーには短いもののほうが好まれる傾向があったが、最近は10〜15分の動画でも「長すぎる! というクレームが来なくなってきた」。特定の製品に関する情報収集としての活用ももちろん根強いが、お気に入りのチャンネルの新着動画を帰宅後にまとめて“ながら見”するユーザーも少なくない。

photo 撮影は自宅で
photo 普段利用している機材

「YouTuber」はブランディングの1つ

 自身ではビデオブロガー/ビデオクリエイターという肩書きを利用することが多いが、言葉の認知拡大によって「YouTuber」と名乗ることも増えてきた。とはいえ、メディアが移り変わっているだけで、職業や生き方として大きな変化を感じることはないという。

 「元々お金儲けのために始めたものではないので、そもそも動画投稿だけで稼ぐぞ! という意識が薄い。“ジェットダイスケ”をブランディングしていくためのメディアの1つであって、それはブログも映像作品も同じ。毎日動画を作り続けているのも、何よりまず自分がやりたいから。好きなものを好きなように紹介している、というのが変わらないスタンス」(ジェットさん)

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