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シャープ、鴻海が買収 外資傘下で再建へ

» 2016年02月25日 16時11分 公開
[ITmedia]

 シャープは2月25日、臨時取締役会を開き、台湾の鴻海精密工業による総額7000億円規模の支援案を受け入れると発表した。経営不振に陥った同社をめぐっては、政府系ファンドの産業再生機構も支援案を提示していたが、支援額の大きい鴻海を選んだ。日本の大手家電メーカーとしては初めて外資傘下に入り、再建を目指す。

 鴻海は総額約4900億円の第三者割当増資を引き受けるほか、優先株を約1000億円で買い取り、共同運営する堺市の液晶パネル工場の土地を500億円で買い取る。一連の金融支援後、鴻海グループはシャープ議決権の66.07%を取得。シャープは鴻海の子会社化になる。

 シャープは今年に入り、産業革新機構と鴻海の2社に絞り、経営再建案の協議を進めてきた。ディスプレイデバイス事業の分社化と3000億円の出資を提案した産業革新機構に対し、鴻海は経営の独立性や雇用の維持などを掲げ、事業売却はせず「シャープ」ブランドを継続使用する考えを示していた。

 鴻海はシャープと2012年に鴻海と資本・業務提携し、筆頭株主に。鴻海は「Foxconn」ブランドで知られ、EMS(電子機器の受託製造)としてiPhoneの製造なども手がける“世界の工場”だ。シャープの買収で優れた液晶パネル技術を取り込めるほか、EMSとして悲願だったとされる最終製品のブランドを自ら持つことになる。

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