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“DIY女子”の強い味方 デザイン豊富な輸入壁紙が生まれる秘密あなたの知らないプリンタの世界(1/2 ページ)

» 2016年03月10日 11時00分 公開

 この数年で聞く機会も増えてきた“DIY”という言葉。「Do It Yourself」の頭文字であり、作れるものは自分で作ってしまう、日曜大工をする、などの意味合いで使われています。

photo 「“DIY”で部屋の模様替え」に欠かせないアイテムになりつつある壁紙(「Heimtextil 2014」会場で著者撮影)

 中には本格的な家具作りやリフォーム工事に取り組む人も。自分で手を加えた家や部屋にますます愛着が湧き、日々が楽しくなる究極の趣味かもしれません。

 私も頻繁に使うわけではないのにホームセンターに行くと工具を買ってしまう、“DIY男子”の端くれなのですが、最近はそんなDIYにハマる女性の方々が急増しているそうです。

 ……「なんでプリンタの話が関係あるの?」と思われるかもしれませんが、結構深いつながりがあるんですよ。

ファッション感覚で「壁紙」をカスタマイズ

 自分の部屋をできるだけ快適に、居心地良く、かわいく、自分好みに変えてしまいたい! ――まさに服やかばん、アクセサリーを選ぶように、インテリアも工夫し、自ら手を加えていく、それが“DIY女子”の姿勢です。

 プチリフォームはテレビ番組でも人気のテーマ。100円ショップで購入したグッズを使った生活雑貨、壁紙やカーテンでガラッと雰囲気を変える模様替えなど、ついつい釘付けになってしまいますよね。

 「好きな壁紙? 壁紙なんて白かアイボリーとかしかないんじゃないの?」という方、これは大きな間違いです。海外では、古い町並みをそのまま残していたり、建築規制があるケースも多く、「壁紙」は部屋を自分らしく、モダンにするための大事な要素の1つ。色やデザインが豊富で、おしゃれなもの、派手なもの、質感もさまざまです。

photo インテリア展示会「Heimtextil 2016」(ドイツ・フランクフルト)の会場で

 引っ越し時の現状復帰を気にせず、自分が最高に気に入った壁紙を選んで自由に着せ替えられたらいいな――そんな欲求に答えてくれる輸入壁紙を取り扱うお店や、あたらしいスタイルの賃貸住宅もどんどん生まれています。

photo 大阪の輸入壁紙の専門店(著者撮影)

 こちらの輸入壁紙の専門店では、所狭しと並ぶ約2万種類の壁紙から手に取って選ぶことができます。雰囲気もとてもおしゃれで、平日の昼間でも常に真剣に見比べるお客さんが。初心者向けの壁紙の貼り方教室も人気です。

 雑誌やテレビで取り上げられたり、SNSの口コミで広がったり、同様のお店は全国でどんどん増えています。壁紙を選ぶのは設計士やデザイナーだけだったのは過去の話。オーダーカーテンのお店などでも壁紙を見て触って選び、そして買えるようになってきています。

賃貸でもチャレンジ! 壁紙を選べる物件も人気

 「面白そうだけど、うちは賃貸だからダメだよね?」と諦め気味の方もご安心ください。近頃の壁紙は、程よい接着力のはがしやすいのりを使っていたり、水拭きで拭き取れるようになっていたり、はがしやすいように工夫されています。他にもホッチキス止めやマスキングテープと両面テープを使った方法など、あなたの部屋事情にあった方法を検索してみてください。

 ところで、壁紙の貼り方ですが、日本と海外は正反対なことをご存知でしょうか。「日本は壁紙に」「海外は壁に」のりを付けるのです。

 日本の方法――壁紙にのりをつける方法ですと、壁紙を広げるために十分なスペースや専用の機械が必要になります。海外は壁にローラーや刷毛を使ってのりを塗りますからDIY向けとも言えます。海外の壁紙は誰にでも貼りやすく、デザインのつなぎ合わせも楽にするべく、50センチくらいと女性の肩幅ほどになっています。ぜひ自分好みの壁紙の一品を見つけて、DIYしてみてください。

 さらに、壁紙を貼る対象は壁だけではありません。偶然発見した同僚の“DIY女子”は、余った壁紙をインテリアに貼ってアレンジしていました。美的センス次第、想像力や工夫次第でいろいろな使い方ができそうです。

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 入居者が好きな壁紙を自由に選んだり、床の色を変えたりできるカスタマイズ・オーダーメイド賃貸もこの数年で注目を集めています。

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 レオパレス21が賃貸物件の入居者に2012年5月から提供している「お部屋カスタマイズ」は、その名の通り、100種類以上のバリエーションの中から壁紙を選び、無料で1面張り替えできるサービスです。どんどん人気を集め、15年3月には契約数が2万件を突破しました。

個性豊かな海外の壁紙

 海外の壁紙でまず驚かされるのが、その種類の多さと個性の強さです。海外壁紙の見本帳(カタログ)は縦・横50センチ程度の大きなサイズが多く、まるでデザイン書や写真集のようです。

photo 「Heimtextil 2014」(著者撮影)

 しかし印刷・プリンタ業界の我々にはここで大きな疑問が。

 「売れ残ったらどうするんだろう……」

 個性が強いものは、これは人間に当てはめることもできますが、嫌われることも多々あるわけですから。

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