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LINE・Twitterの“見えない”いじめ防止 千葉県柏市、監視アプリの実証実験へ

» 2016年04月04日 15時24分 公開
[ITmedia]

 子どもがSNSで受信した投稿やメッセージを分析し、危険と判断した言葉があれば保護者に連絡――そんないじめ防止アプリ「Filli」(フィリー)を、中学生の保護者に無償提供する実証実験を千葉県柏市が4月7日に始める。TwitterやLINEといった、保護者の閲覧が難しい“クローズドな環境”でのトラブル抑止を目指す。

photo いじめ防止アプリ「Filli」を活用

 ビッグデータ分析などを手掛けるベンチャー、エースチャイルドが開発したアプリ。子どもがSNSに投稿した内容から「いじめ」「薬物」「出会い系」といった単語を検知すると、保護者にアラートを送信する。プライバシーを考慮し、会話の原文は伝えずに「注目単語」として列挙する。

photo 危険な単語をアラート

 子どもがSNS上で誰と連絡しているかを確認できる「つながり分析」や、使用時間帯をグラフで表示する「アクティビティ分析」なども搭載する。対応するSNSは、Twitter、LINE、Facebook、カカオトーク。

 実証実験は4月7日から7月20日にかけ、同市内の中学校5校で実施。モニターのアンケート結果や、アプリの収集データを通じ、今後の学校や教育委員会での指導検討に役立てるほか、本導入に向け、市民ニーズや課題の把握にも取り組む方針だ。

 同市の教育委員会は10年以上、実態調査やサイバーパトロールを行い、ネット上のいじめ抑止に努めてきた。SNSの普及に伴い、トラブル増加に歯止めがかからず、スマホを持たせる保護者の協力が必要と判断。クローズドなSNSの環境に切り込める「Filli」に注目し、家庭での見守りを促す考えだ。

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