米国FBIと米AppleのiPhoneアンロック騒動は進行中だが、カナダでは似たような事例が6年前から存在していたことがわかった。
iPhoneやAndroidの登場以前に欧米で広く普及していたスマートフォンのBlackBerryは、通常はBlackBerry Internet Service(BIS)を経由してメッセージをやりとりする。個々のメッセージは暗号化されていて第三者には読めないのだが、その暗号を復号するマスターキーが存在し、さらにそれを王立カナダ騎馬警察(RCMP)が手に入れ、利用していた――と、VICE NEWSなど複数の欧米メディアが報じている。
2010年から2012年にかけて、マフィアの殺人計画を捜査するために、マスターキーが使われたことが裁判資料によって明らかになった。BlackBerry側がキーを提供したのも、裁判所の命令による。しかし、このマフィア事件が終わっても、RCMPはまだマスターキーを保持しているとみられる。のみならず、BISのマスターキーは、英国やインドの当局にも提供されたと報じられている。
RCMPが入手したマスターキーは、コンシューマー向けのBISのものだけで、BlackBerry Enterprise Service(BES)という企業向けサービスは安全だという。多くのアナリストが、BlackBerryはBESによる安全なメッセージ通信に特化するべきだと指摘しているが、それを裏付けるような話でもある。
なお、王立カナダ騎馬警察は州警察に対するカナダ連邦警察に相当する組織で、警察官が馬に乗っていた時代からそのまま名称を受け継いでいる。
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