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「都会のマンションの閉塞感がいやだった」 任天堂出身エンジニアが“4K映像デジタル窓”に込めた思いクラウドファンディング「成立」のその後(2/3 ページ)

» 2016年05月20日 09時00分 公開
[矢内加奈子ITmedia]

サポーターの声を製品に反映 クラウドファンディングで得た「共創力」

 海外での資金調達完了後、国内でも新たにクラウドファンディングを実施した同社。姜さんによると、国内でのクラウドファンディングで得られたことは大きく3つあるという。

 1つ目は「マーケティング」だ。クラウドファンディングサイトでは支援者がコメントを投稿できるため、製品を大量生産する前に“実際にお金を払った人”の意見を集められる。「製品をバージョンアップする際に役立てられそうな意見もいくつかあった。例えば、私たちが想定していた自宅での利用に加え、オフィスの会議室で使いたいといった要望も多かった」。今後、オフィスシーンでも使いやすいように壁掛けフックの仕様を変更する予定という。

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 もう1つのポイントは、「プロモーション」につながったことだ。アトモフは開発者たちが中心となって立ち上げたスタートアップであるため、設立当初から広報メンバーがいるわけではない。そんな中、クラウドファンディングサイトを通じた広報効果により「発売前からたくさんのファンを獲得できた」という。

photo 百貨店での展示イメージ

 そして3つ目のポイントは「販路の開拓」だ。同社はプロジェクト期間中、Makuakeが伊勢丹新宿本店などに設けている展示スペースでAtmoph Windowを展示。プロジェクトが終了した現在も、3月にオープンした東急プラザ銀座内で東急ハンズが手がけているHANDS EXPOで、Atmoph Windowの展示を行っている。

 「ネットだけでなくリアルの場でもプロダクトを多くの人に知ってもらえる機会を持てたのはありがたかった。今回の展示をきっかけに、伊勢丹で本格販売する話もあり、当初の計画よりも一般販売の計画がスムーズに進んでいる」と姜さんは話す。

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