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ソニー、独自の新ディスプレイ技術「CLEDIS」製品化 光源に微細なLED素子

» 2016年05月19日 14時44分 公開
[ITmedia]

 ソニーは5月19日、微細なLED素子を光源とする独自の高画質ディスプレイ技術「CLEDIS」(クレディス)を用いた新方式のディスプレイユニットを来年1〜3月に発売すると発表した。「広大なキャンバスに画を描くように映像を表現できる」とし、博物館や工業デザインなどの用途に提案する。オープン価格。

画像 CLEDIS技術を採用したディスプレイシステムのイメージ

 2012年に開発を発表した「Crystal LED Display」の技術をベースに開発を続け、商品化への技術を確立した。

 CLEDISは、画面に配置したRGB各色の微細なLED素子を、画素ごとに駆動させる自発光型ディスプレイ技術。RGBを1画素とする光源サイズは0.003ミリ平方メートルと微細で、画面表面の黒色が占める割合を99%以上に高められ、高コントラストが実現できるという。視野角、色域も広く、フレームレートは最大120fpsと動画応答性能にも優れている。

画像 「光源サイズ約0.003ミリ平方メートル、黒色が占める面積99%以上」のイメージ

 発売するのは、CLEDIS技術を採用したディスプレイユニット「ZRD-1」(320×360ピクセル)と、専用のディスプレイコントローラー「ZRCT-100」で構成するシステム。

 ディスプレイユニットは任意の数で組み上げられ、ディスプレイコントローラーも複数接続して拡張できるため、画面の大きさや縦・横比率を用途や設置場所に合わせて自由に設定可能だ。例えば、ユニット144個で8K×2K(横9.7×縦2.7メートル)のディスプレイを構築できる。

 ユニットの画面には枠がないため目地のない大画面が構築でき、まるで一つのキャンバスのような大画面映像による空間演出が可能としている。

 ディスプレイユニット1つのサイズは403×453ミリ、輝度は最大1000カンデラ/平方メートル、視野角はほぼ180度、コントラスト比は100万:1以上、表示可能色域はsRGB比約140%。コントローラーは、1台で最大72台までのディスプレイユニットを駆動できる。

 医療などの研究機関や博物館、管制室など精緻な映像表現が求められる用途や、工業デザイン、建築デザインなどリアルな映像でのシミュレーションが必要とされる用途に提案する。

 新製品は、米ラスベガスで6月8日に開幕する「InfoComm 2016」(6月8日〜10日)にデモ展示する。

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