交通事故など「危ない!」と感じた瞬間には、周囲の風景がスローモーションに見える――そんな現象が本当に起こるとする研究成果を千葉大学が発表した。危険を感じた時は視覚の処理能力が通常よりも高まり、事態がスローモーションのように感じることを確認したという。
危険や安全の印象を与えるカラーの画像を24枚用意し、それぞれ1秒間表示した後、10〜60ミリ秒の範囲でモノクロ画像に切り替える実験を行った。危険な画像の場合は、モノクロに見えるのに必要な時間が短くなった。これにより、危険な状況では、通常より早く視覚情報を処理できる可能性が分かったという。
また、0.4〜1.6秒の範囲で各画像を表示し、1秒間の長さを感じるのにかかる時間も測定。危険な画像が見えている時間は、実際より長く感じることを確認した。2つの実験から、危険な状況では物事がスローモーションに見えることを証明したという。
成果は、日本心理学会が7月1日に発行する国際誌「Japanese Psychological Research」に公開する予定。
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