「われわれが話し合うべきなのは(人工知能が)善か悪かではなく、(人工知能の)人類にとっての価値と、この技術を創造する機関についてだ」──。米Microsoftのサティア・ナデラCEOは6月28日(現地時間)、米メディアSlateに「The Partnership of the Future(未来へのパートナーシップ)」と題する論説を寄稿した。
上記は、ジョン・マルコフ氏の近著「人工知能は敵か味方か」(日経BP刊)の一節「スマート・マシンがあふれる世界で誰がコントロールするかという問いに答えるには、こうしたシステムを実際につくっている人々の価値観を理解する必要がある」を引用した後に続く記述だ。
「シンギュラリティ」についての議論が活発化する中、同氏は「人類と機械は対立するのではなく、共に協力していくだろう。コンピューターは(IBMのWatsonがJeopardy!で優勝したように、GoogleのAlphaGoが囲碁で名人に勝ったように)これからもゲームに勝つだろう。だが、不治の病や貧困や無知などの社会問題を解決するために人間と機械が協力する可能性について想像しよう」と語った。
同氏は、人間と機械(人工知能、AI)が共存共栄するための原理として、以下のような指針を提示した。
また、AIと共存するためには、人間側も「共感力」「教育」「想像力」「判断力と責任感」を強化していく必要があるとしている。
同氏はBuild 2016やde:code 2016など、折にふれてAIの可能性について語ってきた。
この論説は、Slateがアリゾナ州立大学および米シンクタンクNew Americaと展開する「Future Tense」の一環として公開された。
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