米Appleが人工知能(AI)製品を手掛ける米新興企業Turiを買収したと、米GeekWireが8月5日(現地時間)、複数の情報筋の話として報じた。買収総額は約2億ドルという。
ApppleはGeekWireに対し、買収を認めるお決まりのコメント(Appleは時折小規模な技術企業を買収し、その目的や計画については説明しないことにしている)を寄せた。
Turi(旧Dato)は2013年創業のワシントン州シアトルに拠点を置く、企業向け機械学習応用製品を手掛ける非公開企業。センチメント分析やレコメンドサービスなどを提供している。例えば米音楽ストリーミングサービスPandoraのユーザーの好みに合わせたレコメンデーション機能はTuriの技術を採用している。
創業者のカルロス・ゲストリンCEOは2009年にカーネギーメロン大学でTuriの基礎となるオープンソースプロジェクトを立ち上げ、2012年にシアトルにあるワシントン大学に移り、米Amazon.comのジェフ・ベゾスCEOの支援を受けた。同氏のLinkedInによると、現在も「Amazon Professor of Machine Learning」という肩書を持っている。
Appleはユーザーデータを商品扱いしないと宣言していることもあり、ビッグデータとしてのユーザーデータに基づく機械学習機能の開発で米Googleや米Facebookに後れを取っている。それでも近年、VocalIQ、Perceptio、Emotientなど、人工知能関連企業の買収を加速している。
Appleのティム・クックCEOは直近の業績発表後の電話会見で、「われわれは顧客体験向上のためにAIの取り組みにフォーカスしてきた。例えば、機械学習によってSiriは言葉だけでなく、その背後の意図を理解できる」とし、「われわれの製品のディープラーニング技術はユーザーの(iPhoneなどの)利用パターンを解析することでバッテリー寿命を延長することもできる」と語った。
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