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Appleが人工知能(AI)・機械学習のエキスパートを大量募集 Siri強化が目的か

» 2015年09月08日 07時44分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Appleが人工知能(AI)や機械学習の専門家を大量に募集していると、米Reutersが9月7日(現地時間)に報じた。iPhoneのパーソナルアシスタント「Siri」を強化し、米Googleの「Google Now」に挑戦するのが目的と同紙はみている。

 apple ai 1 Appleの求人ページに掲載された機械学習部門の求人の1例

 Appleは次期モバイルOS「iOS 9」で、ユーザーの意向を先回りして情報を表示する「Proactive Assistant」という機能を提供する。表示する情報は、Google Nowと同様に、ユーザーのサービスやアプリの利用履歴や時間、位置情報に基く。関連性の高い情報を提示するには、AIや機械学習の技術が必要だ。

 Googleは次期モバイルOS「Android 6.0 Marshmallow」に、機械学習技術を採用し、ユーザーに必要な情報を推測して提示する機能「Now on tap」を搭載する見込みだ。

 2社の新機能はかなり似たものになりそうだが、大きな違いは、Googleはユーザーが入力した大量の情報を自社サーバーに集め、ビッグデータとして解析できるのに対し、Appleはプライバシーを尊重し、個人情報を収集しない点だ。今年のWWDCでProactive Assistantを紹介した際、ソフトウェアエンジニアリング担当副社長のクレイグ・フェデリギ氏はこの新機能のために使うデータは匿名化され、Apple IDとリンクしないと強調した。

 apple ai 2 Proactive Assistantでのデータの扱いについて説明するフェデリギ氏

 だが、こうしたプライバシーの尊重は機械学習技術の構築を困難にするとReutersは指摘する。また、AI・機械学習の専門家にとっても、大量のデータを扱えるGoogleやFacebookの方が魅力的だろう。

 現在求人している「データサイエンスエンジニア」の説明には、「ペタバイト規模のデータの最先端のデータ解析を可能にする環境を構築する」とある。

 apple ai 3

 Appleは9月9日のイベントに合わせ、iOS 9をリリースするとみられている。

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