　三菱電機と東京大学は8月18日、イベント会場と最寄駅などを結ぶルートの混雑状況をリアルタイムで予測する技術を開発したと発表した。監視カメラのライブ映像を基に、流れる人の数を推定し、混雑の解消や警備の効率化につながるという。第38回世田谷区たまがわ花火大会（8月20日）で、同技術の実証実験を行う予定だ。

従来の技術と比べると、予測精度が約50％から約80％にアップ

　監視カメラの映像をその場で解析して、どれくらいの人がいるかを算出し、混雑状況を予測する「高速群集移動シミュレーター」を開発。過去のデータを基に人数を予測していた従来の技術と比べると、予測精度が約50％から約80％にアップしたという。過去に前例がない事件・事故が起きても、現状から予測した回避ルートを設定できるとしている。

　従来のシミュレーターでは、ある人から見て周囲全ての人の動きを予測していたため、計算に時間がかかっていたが、新技術では近くの人の情報だけで計算する「高速群集移動モデル」を採用。予測にかかる計算量を減らし、現場の警備員がリアルタイムの混雑状況を知ることで、臨機応変な対応が可能になるという。

「高速群集移動モデル」を採用

NEC、防犯カメラに映る混雑状況“見える化”技術　人の流れから異常を検知
防犯カメラの映像から混雑状況を把握する技術を、NECが「C＆Cユーザーフォーラム＆iEXPO2015」に出展している。
酔っ払い・不審者を防犯カメラで自動検知　JR西、三ノ宮駅に導入
防犯カメラの画像を解析し、飲み過ぎた人や不審者を自動的に検知するシステムをJR西日本が三ノ宮駅に導入する。
東急、駅構内カメラ画像の配信実験　画像処理でプライバシー保護
東急は、駅構内の画像をスマートフォンに配信する実証実験を始める。
NEC、立ち止まらずに「顔認証」の実証実験　成田空港で職員向けに
日本電気が、ゲートを通る間に本人かどうかを顔認証でチェックする「ウォークスルー顔認証システム」の実証実験を成田国際空港で行う。