米Googleや米ネット広告業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)など、オンライン広告に関わる16の企業や事業者団体は9月15日(現地時間)、独ケルンで開催の広告関連カンファレンス「dmexco:media」において、オンライン広告改善のための団体「The Coalition for Better Ads」の設立を発表した。
多くのインターネットサービスが広告ベースで無料で提供されている以上、広告を完全にブロックすることは長期的にはユーザーにとってもメリットにならない。ブロックしたくなるような不快な広告が表示されなくなればパブリッシャーも広告主もユーザーも快適にインターネットを利用できるようになるはずだ、というのが同団体の主旨だ。
dmexco:mediaの広告ブロックについてのパネルディスカッションに参加したGoogleのDoubleClickのディレクター、スコット・スペンサー氏(左)とWorld Federation of Advertisers (WFA)のステファン・ロエルケCEOThe Coalition for Better Adsは、コンシューマーインサイト(消費者調査などで得られる消費者の本音を示す広告用語)と業界全体の経験を活用し、オンライン広告の新たな世界標準を構築・導入することを目指す。
参加団体の1つ、米4A'sのナンシー・ヒル社長兼CEOは発表文で「広告ブロック機能の出現も示す通り、現在の消費者向けオンライン広告には改善の余地があることをわれわれは認識している」とし、消費者がなぜ一部の広告に反応してくれないのかを解明し、リーチしたい消費者により良くエンゲージするために問題を解決する時が来たと語った。
The Coalition for Better Adsは、消費者に受け入れられるオンライン広告の世界標準を策定し、この標準を導入するための技術を開発し、それを広める。米Business Insiderによると、広告を標準と照合するソフトウェアは2017年に公開される見込みという。
広告ブロック大手の「AdBlock Plus」を提供する独EyeOはこれに先立つ13日、広告ブロックユーザーにAcceptable Ads(許容できる広告)を表示する新たな広告ネットワーク「Acceptable Ads Platform」の立ち上げを発表した。
同団体には、AdBlock Plusといたちごっこを展開中の米Facebookも参加している。
立ち上げ段階で参加するのは以下の16団体(IABは1つにカウント)だ。
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