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「Spotify」日本上陸 「無料聴き放題」で攻勢へ 「日本の音楽市場でリーダーシップを発揮したい」

» 2016年09月29日 14時46分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 スポティファイジャパンは9月29日、音楽ストリーミングサービス「Spotify」を日本で公開した。約4000万曲を提供し、広告が表示される無料版の「Spotify Free」と、広告なし・月額980円(税込)の「Spotify Premium」という2種類のプランを用意する。利用には、アプリ/Webサイトでメールアドレスを登録するか、Facebookアカウントとひも付ける必要がある。

photo 左から順に、スポティファイジャパンの野本昌氏、玉木一郎氏、Spotify創設者のダニエル・エク氏、スポティファイジャパンのハネス・グレー代表取締役

 Spotify Freeは、無料だが時折広告が表示されるプラン。スマートフォン、タブレット、PC、PlayStation3/4などでストリーミング再生できる。スマホでは、アーティスト別、アルバム別、プレイリスト別に楽曲を「シャッフルプレイ」で再生できる。タブレットとPCでは、30日ごとに15時間オンデマンド再生が可能。15時間を超過しても、スマホと同様にシャッフルプレイが利用できる。楽曲によっては再生時に歌詞も表示する。

 プレイリストを作成し、SpotifyやFacebook、Twitterなどで友人と共有も可能という。そのほか、ユーザーの好みに応じて毎週月曜日にレコメンドする「Discover Weekly」、視聴頻度が高いアーティストの新曲を毎週金曜日に薦める「Release rader」、走るペースに応じたテンポの楽曲を提供する「Spotify running」――などの機能も用意する。

 定額制のPremiumは、広告非表示・320kbpsの高音質で楽しめ、楽曲をダウンロードしオフラインでも視聴が可能。オンデマンド再生にも対応する。Premiumは30日間無料で試聴できるという。

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 Spotifyは、「世界で4000万人の有料会員を抱える」(同社)という音楽ストリーミングサービスの最大手。2006年にスウェーデンで創業し、米国やカナダ、ドイツ、フランスなど欧米を中心にサービスを展開している。日本版は12年に登録受け付けを始めたが、サービス自体は提供していなかった。

 予告から“4年の空白”の間に、日本ではApple Music、Google Play Musicなどの競合サービスが相次いで登場している(Google Play Musicは約3500万曲、Apple Musicは約3000万曲を提供)。スポティファイジャパンのハネス・グレー代表取締役は「サービスの品質の担保、音楽業界やアーティストとの調整などに時間を要した」と説明した上で、「先行するサービスはあるが、無料と有料の両プランを持っていることがSpotifyの強み」と巻き返しに意欲を見せる。

 Spotifyの創設者でCEOのダニエル・エク氏は「日本の音楽市場でリーダーシップを発揮していきたい」としている。

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